(MOD)『サイレントヒル タウンフォール』セントアメリアで最初にやるべきこと【SILENT HILL: Townfall】

(MOD)『サイレントヒル タウンフォール』セントアメリアで最初にやるべきこと【SILENT HILL Townfall】

霧の音が先に来る。画面より耳のほうが正しい、と気づくまでに少し時間がかかった。スコットランド沖の孤島セントアメリアに打ち上げられたサイモン・オーデルを操作して、サイレントヒルシリーズの最新作を一通り通した。一人称で、ラジオの代わりにポケットテレビを握り、板切れの耐久を気にしながら歩くゲームだ。先行で触れた人と、今夜から本編に入る人の両方を想定して、実際に詰まったところと、あとから「最初からこうすればよかった」と思ったところだけを書く。

この記事では、ゲームの立ち位置、最初の数時間の動き、ポケットテレビの使い方、戦闘とステルスの判断、周回とエンディングの考え方、PC版で発売直後から出ている調整ファイルの扱いまで順に触れる。ネタバレは進行に必要な範囲にとどめる。結末そのものの中身は書かない。

どんな作品か

開発はグラスゴーのScreen Burn Interactive。かつてのNo Codeだ。監督と脚本はジョン・マッケラン、シリーズプロデューサーは岡本基、音楽はPilotpriest。エンジンはUnreal Engine 5。対応はPlayStation 5とPC(Steam、Epic Games Store)。パッケージはPS5のみ。価格はスタンダード7,480円、デラックス8,580円。デラックスにはサイモンの別衣装、デジタルアートブック、サントラの抜粋、48時間先行プレイが付く。CEROはD。

舞台は1996年の架空の孤島セントアメリア。灰色の海に流されたサイモンは、ほとんど何も覚えていない。医療用リストバンドに自分の名前があり、左手には輸液がつながっている。町に人はいない。霧と静寂と、古びたブラウン管のノイズだけがある。目的として頭に残っているのは「状況を正す」という短い言葉だけだ。

シリーズ本編規模の作品として、初めて一人称で通している。『The Short Message』も一人称だったが、あちらは短い実験作で、戦闘もここまでの厚みはなかった。今回は探索、ステルス、近接と銃、そして物語に直結した謎解きが一本につながっている。個人のトラウマだけを掘るのではなく、町の制度や沈黙、見捨て方まで含めた社会の歪みが前面に出る。シリーズ経験者にも、初めて霧に入る人にも閉じた一本として成立する作りだと公式は言っている。実際に通してみても、過去作の知識がなくても追える。ただし「サイレントヒルらしさ」は音と間と、画面の外にある。

SILENT HILLTownfall
SILENT HILLTownfall

操作できるのはサイモンだけではない。看護師のゾーイ、もう一人の声の主であるリチャードの視点に切り替わるパートがある。ゾーイはステルス寄り、リチャードは戦闘寄り、とざっくり言ってよい。関係性は単純ではない。声優は日本語版でサイモンが安元洋貴、ゾーイが甲斐田裕子、リチャードが大塚明夫。英語版もキャストがしっかりしているので、好みで音声を切り替えてよい。字幕はどちらでも物語は追える。

構成は大きく六つのパートに分かれる。到着、ゾーイ、患者、クララ・ウッズ、リチャード、サイモン。初回クリアは人によるが、探索と謎解きを真面目に拾うと13時間前後。電撃の先行レビューも同じくらいだった。2周目は番号と部屋の配置を覚えているので、数時間で回せる。

始める前に決めておくこと

難易度は最初から弄りすぎないほうがいい。通常でも正面戦闘は痛い。近接一発で体力が数パーセント落ち、武器には耐久があり、銃は弾が少なく、発砲音が周囲を呼ぶ。ヒントありモードは、謎解き用のメモの該当箇所が赤字になるだけなので、物語を壊しにくい。初見で番号合わせやコンソール操作に詰まりたくない人は、ヒントありで始めてよい。ノーヒントで通したときの達成感は確かにあるが、中盤以降の難度は明らかに跳ねる。

操作で最初に体に入れたいのは覗き込みとしゃがみだ。角を出る前に体を少し出して確認する。敵の目は思ったよりいい。霧の中で立っているだけでも拾われることがある。ダッシュは移動用として使うが、足音は消えない。電話ボックスはただのセーブ地点ではなく、中に入っている間は攻撃を受けない退避場所にもなる。追い詰められたらボックスを探す癖を先につけておく。

セーブは電話が基本になる。トロフィーに「リチャードに会って以降、一度も電話でセーブしない」があるので、全実績を狙う人は2周目以降に回す。初回は遠慮なく電話してよい。未セーブのまま長い屋内に入ると、詰まったときの戻りが重い。

UIは薄い。目標はメニューで確認できる。画面上の●は当面の行き先の目安になる。車の窓を割っても中に必要なものはほぼ入っていない。体力を削って割る意味は薄い。

PCで遊ぶ人は、起動直後のシェーダーコンパイルと霧のボリュームでフレームが落ちやすい。最低ラインはRTX 2060 SuperやRX 6600クラスでも動くが、推奨と最低の差は大きい。発売直後の評価は概ね良好で、Metacriticは81前後、OpenCriticは82前後、Steam先行分は「やや好評」帯に乗っている。数字より先に、自分のマシンで霧がちゃんと濃いまま60近く出せるかを見たほうがいい。

最初の数時間の歩き方

岸壁から町に入るまでの空気が、この作品の速度感を決める。急がない。サイモンの思考はテキストで出る。声を出して会話する主人公ではないので、画面の端の独白を飛ばすと関係性が薄くなる。

最初に拾う板切れは、殴るためというより「壊れるまでの保険」だ。耐久が減ったら早めに地面の別の棒やパイプと入れ替える。最後まで使い切ると手元が空になり、その場で素手になる。素手で渡り合える相手はほぼいない。

敵を見たら、まずポケットテレビを向ける。近くに敵がいるときだけ、専用の信号が出る。壁越しにシルエットが見える。この確認を怠って角を曲がると、近接を一発もらって板が削れる。倒すより隠れるほうが正しい場面のほうが多い。物陰、車の陰、フェンスの裏、クローゼット、部屋の奥。瓶やレンガ、ラジオで音を鳴らして視線を外す。車のアラームも使える。後ろから仕留める即死はないので、「気づかれていない」状態を維持すること自体が攻略になる。

【SILENT HILLTownfall】
【SILENT HILLTownfall】

気づかれたら全力で距離を取る。速度はほぼ互角なので、直線逃げは不利。曲がり角を二つ挟んでボックスか閉まった部屋に入る。体力が減ったまま次の区画に入らない。回復は多くない。見つけたらすぐ使わず、次の長い屋内の前まで温存する判断も必要になる。

flashlightが要る暗い室内では、光源そのものが位置を教える。点けっぱなしで歩き続けない。必要な棚と床だけを照らして消す。音は後ろからも来る。崩れる足場や、別ルートが閉じる演出は、画面中央より環境音のほうが一拍早い。

ポケットテレビを仕事道具にする

シリーズ定番のラジオは、ここではポケットサイズのブラウン管に置き換わっている。正式にはCRTVと呼ばれる。不安定なアナログ信号を拾う道具で、敵の気配、行き先の映像、物語の断片、謎のヒントが同じ筐体に乗ってくる。

使い方は単純だが、習慣にしないと損をする。

  • 敵の気配や低い呻きがしたら、歩く前に画面を向ける
  • 壁や霧の向こうのシルエットを確認してから角を出る
  • 安全な部屋でも一度チャンネルを探る。探索用の映像が混ざっている
  • 映像の背景と目立つ建物、看板、道の形を現実の町並みと照合する
  • 信号が弱いときは本体をひねる。PS5はコントローラーを傾ける操作がある
  • 色味をいじる仕掛けがある。RGBを合わせると錠や装置のヒントが出る

映像は答えを直接書かない。メモ、メール、古い端末、棚の配置と組み合わせて初めて意味が通る。一枚の静止画だけで決め打ちすると、別の部屋の同じ形の窓に引っかかる。詰まったら一度映像を閉じて、今いる区画を一周し、もう一度見る。

物語側でもゾーイの声がノイズ混じりに乗ってくる。案内であり、同時に距離感でもある。画面の砂嵐そのものが演出なので、ノイズを「邪魔」と切り捨てないほうがいい。後から振り返ると、あのときの歪んだ声が別の意味を持っていることが多い。

戦闘は選んで行う

正面から殴り続けるゲームではない。それでも避けきれない場面はある。近接は攻撃とガード。ガードしても耐久は減る。パイプは板より少し持ちがいいが、無限ではない。投擲は瓶とレンガ。所持数は少なく、当たれば怯む。逃げと追撃の両方に使える。銃は中盤以降。ピストルは頭に二発で落ちる相手が多いが、一発ずつ装填するので間が長い。音が大きい。フレアガンは特定のロッカーから出る。ショットガンは進行で手に入る。弾は常に足りない前提で扱う。

判断の目安はこうだった。

  • 単体で、通路が狭く、逃げ場がない……近接で片付ける
  • 複数、あるいは視界が広い広場……音で分散させてすり抜ける
  • 遠距離から拘束や投射してくる大型……無理に近づかず、遮蔽を挟む
  • 体力と武器が simultaneous に危ない……ボックスへ戻る

「倒した数」はエンディングに影響する。詳細は後述するが、初回から殲滅しにいく必要はない。発見と探索のほうが物語の手触りに合う。

ゾーイのパートは隠れる比重が上がる。リチャードのパートは武器の回転が速くなる。操作感が変わるので、サイモンのときの節約癖をそのまま持ち込むと、逆に遅くなる場面もある。視点が切り替わったら、その人物が今どんな道具を持っているかを最初に確認する。

謎解きで詰まらないためのメモ

中盤以降、番号、古いコンソール、配線、カード、本の配置が増える。総当たりで開く錠もあるが、時間を溶かす。紙とペン、あるいはスマホのメモを隣に置いたほうが早い。暗証番号は作中に散らばっている。一度見た数字を「あとで思い出す」は、霧の中ではほぼ失敗する。

ヒントありでも、赤字は「ここが手がかりです」と示すだけで、計算や照合は自分でやる。シリーズらしい心理的な裏がある謎も混ざっているので、文章の感情と、装置の論理を分けて考えると抜けやすい。

取り逃すと後から面倒なものがある。ドキュメント全収集の実績、奇妙なハガキ、New Game+用の仕込みだ。初回で全部拾う必要はない。ただし「この部屋、あとで戻れないかも」と感じたら、棚の裏と机の下だけは見てから出る。取り返しのつかない要素は存在する。Wikiを見ながら進める人もいるが、初見の恐怖を残したいなら、収集はクリア後の周回に回してよい。

効率よく進めるための実戦メモ

目的地の●だけを追うと、回復と文書が足りなくなる。区画に入ったら、先に外周を一周してアイテムとメモを拾い、そのあと目的の建物に入る。屋内は一本道に見えて、二階や裏手が別ルートになっていることが多い。

体力は「次の電話まで持つか」で管理する。満タン近くあるなら、小さい回復は温存。逆に半分を切ったら、次の戦闘前に使う。死んで戻ると、壊した武器と使った弾は戻らないことが多いので、無理な突出は高い。

足音と環境音を別物として聞く。敵の歩きと、建物が軋む音と、テレビのノイズは周波数の層が違う。ヘッドフォン推奨。テレビのスピーカーだと、背後の接近が遅れて聞こえる。

フォトモードやスナップは、霧の見た目を残す用途としては強い。ただし撮影中に敵は待ってくれない。安全な高台か、クリア済みの部屋で撮る。

複数周する前提なら、1周目は探索寄りで通す。倒した数より、見た数、読んだ数、信号を拾った数を増やす。そのほうが本編のテーマに沿うし、後述する分岐でも有利になる。

エンディングと周回で気をつけること

エンディングは五つ。通常プレイで三つ、New Game+限定が二つ。

通常の三つは、探索で見つけたものと、敵を倒した数のバランスで分かれる。発見が明確に多いと「正義」、発見がわずかに多いと「永遠」、殺害が上回ると「放棄」。名前だけ覚えておけば足りる。中身は自分の目で見たほうがいい。ハガキ収集も分岐に絡む可能性があるので、気になる人は区画ごとの棚を丁寧に見る。

New Game+に入ると、犬型の箱に入れる銅・銀・金のコインが追加される。それぞれ決まったパートに出る。三つとも収めると犬の結末へ進める。もう一つの特殊結末は、奇妙な本とアクセスカードを拾い、終盤の扉で使う必要がある。本は複数パートに分かれて置いてある。1周目には存在しないので、クリア後に「あれが足りなかった」と思っても問題ない。

エンディング 正義
エンディング 正義

引き継ぎと追加武器もある。斧は一度クリアすれば次の周回で序盤から拾える。通常の敵を一振りで落とせるので、ゾーイ視点の負担や、回復を使わない挑戦に向く。ピストル3000は特殊結末を見たあとの周回で解禁される。火力は突出している。やり込み用の道具であって、初見の緊張を保ちたい人は後回しでよい。

トロフィーはプラチナまで視野に入れると、全ドキュメント、全結末、電話セーブなし、New Game+クリアなどが並ぶ。初回で全部は狙わない。物語を一度通して、気になった分岐だけ2周目で拾うほうが精神的に楽だった。

PC版で手を入れてもいい場所、入れないほうがいい場所

発売前後から、非公式の調整ファイルが集まり始めている。公式の追加要素ではなく、自己責任の改変だ。セーブや実績を壊すもの、雰囲気を削るもの、単に動作を安定させるものがある。混ぜて語ると危険なので、用途で分ける。

動作と表示の側は、実害が出ている人だけ触ればいい。霧とLumenと仮想シャドウの組み合わせで、初見の区画に入るたびに一瞬止まることがある。シェーダーの事前構築を待たずに走り出すと特に目立つ。非公式の最適化パックは、ストリーミングとシェーダキャッシュ、マウス入力を触って引っかかりを減らすものが先行している。プリセットが低中高で分かれているものは、自分のGPUに近いほうを一つだけ入れる。複数を重ねると設定が打ち消し合う。ウルトラワイドは、標準が21:9で打ち止めになっているため、32:9まで広げて黒帯を消す修正が出ている。HUDを16:9に残す選択肢があるものは、画面端の字幕が伸びすぎない。フレーム生成は公式メニューにないため、エンジン側のFSR補間を設定ファイルで起こす方法が共有されている。入力遅延が増えるので、ステルスの覗き込みが難しく感じる人は切ったほうがいい。

言語パックも出ている。公式対応外の字幕を足すものだ。日本語で遊ぶ分には不要だが、別言語で配信したい人向け。導入先は多くの場合、ゲームフォルダ配下のPaksか、スクリプト用のModsフォルダになる。

ゲーム性を変える側は、初回クリア前に入れないことを勧める。近接の耐久を無限にする、スタミナを無限にする、武器の火力を倍近くにする、といった類だ。板が折れるから隠れる。弾が足りないから撃たない。その制約が、この町の歩き方そのものになっている。火力を上げると、ゾーイの緊張もリチャードの判断も薄くなる。どうしても戦闘中心で周回したい人向けの改変であって、最初の13時間用ではない。

導入の共通事項だけ書いておく。多くのスクリプト系はUE4SSを先に入れる。pak系は Townfall\Content\Paks\~mods に置く形が多い。公式パッチが当たると、片方だけ残って起動しなくなることがある。入れる前に純正フォルダをコピーしておく。オンライン要素はないが、破損したセーブは公式の対象外になる。雰囲気を残したいなら、最適化とアスペクト比だけに留めるのが無難だった。

コントローラーのジャイロで信号を合わせる操作は、PCでもパッドを繋いだほうが分かりやすい。キーボードとマウスだけでも通せるが、弱い信号を「ひねる」感覚はパッドのほうが資料映像に近い。

やってよかったこと、やらなくてよかったこと

よかったのは、最初からヘッドフォンにしたこと、数字を全部メモしたこと、敵を見たらテレビを先に向けたこと、電話ボックスの位置を区画ごとに頭に置いたこと。やらなくてよかったのは、車を片っ端から壊したこと、弾のある相手を全部撃ったこと、ヒントなしに意地を張って同じ部屋で40分止まったこと。中盤のコンソールは、一度離れて別のメモを読み直すと解けることが多い。同じ画面を睨み続けない。

シリーズ過去作との接続を探しすぎないほうがいい。町の名前も地理も、いつもの湖畔の町ではない。1996年の孤島として完結している。モチーフの再利用は音と「正しさ」の押し付け方に出る。知識で先回りすると、サイモンが何も知らない時間を自分から捨てることになる。

音楽は戦闘曲というより、ノイズの層が厚くなる感じに近い。Pilotpriestのトラックは、隠れたあとの数秒で一気に空気が戻る。その緩急を殺すと、ただ暗い街歩きになる。ボリュームは効果音を優先して、BGMを少し下げてもよい。声と砂嵐が埋もれない位置がちょうどいい。

TGS前後の展示や実況で雰囲気は分かっていても、実際のプレイは「見える恐怖」より「受信する恐怖」の比重が大きい。画面の外をテレビで見る、という構造が、一人称とよく噛み合っている。最初の違和感はそこで消えた。

まとめ

セントアメリアは、走って切り抜ける町ではない。板の残り、弾の数、電話までの距離、ポケットテレビの砂嵐、その四つを同時に見るゲームだった。戦闘は選ぶ。謎はメモする。声は最後まで残す。クリア時間は初回13時間前後を見ておけば大きく外れない。結末は五つあり、三つは探索と殺害のバランス、二つは周回用の仕込みで開く。PCで引っかかるなら表示と動作の調整だけ先に見て、制約を外す改変は二周目以降で十分だ。

今夜から入る人は、岸壁を出たらまずテレビの電源が入るか確認してほしい。チャンネルは変えない。信号が来ている。あとは自分の足で、霧の幅を測ればいい。

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