『鬼武者 Way of the Sword評価(レビュー)』クリア後の正直な感想。序盤の進め方と剣戟のコツ【鬼武者WS】

鬼武者 Way of the Sword評価(レビュー)

20年ぶりに帰ってきた『鬼武者』を、発売日から一気に本編クリアまで遊んだ。昔のシリーズを知っている人にも、今回が初めての人にも、先に結論だけ言う。

刀と刀がぶつかる瞬間の気持ちよさは本物だ。ボス戦の完成度も高い。ただ、京都の街を歩いている時間が長いせいで、「今、何のために歩いているのか」が薄くなる箇所もある。戦闘が好きな人ほど後半で火が付き、探索が苦手な人ほど中盤で少し息切れする。そういう作品だった。

この記事では、物語の核心は伏せたまま、実際に手を動かして分かったゲームの中身、最初に選ぶべき設定、序盤でつまずきやすい点、効率よく強くなっていく順番を書く。

どんなゲームか

カプコンの剣戟アクションで、舞台は瘴気に侵された江戸時代初期の京都。プレイヤーは剣の道を極めようと京へ入った宮本武蔵を操作する。道中で幻魔に襲われ、望まない形で「鬼の籠手」をつけさせられる。ここが今回の武蔵の出発点だ。

過去作の続編ではない。幻魔も鬼の籠手も世界観の核としては残っているが、物語はゼロから始まる。シリーズを遊んでいなくても困らない。逆に、昔の一閃の感覚だけを頼りにすると、最初は戸惑う。

『鬼武者 Way of the Sword』魂の色を間違えない
『鬼武者 Way of the Sword』魂の色を間違えない

対応機種はPlayStation 5、Xbox Series X|S、PC、Nintendo Switch 2。エンジンはREエンジン。武蔵の声は細谷佳正、顔のモデルは三船敏郎。籠手の中にいる「鬼の佳人」は遠藤綾。宿敵の佐々木巌流は岡本信彦。ほかに小野篁、出雲阿国といった人間側の顔ぶれが、京都の拠点まわりで何度も顔を出す。

クリアまでの目安は、本筋だけならだいたい20時間前後。寄り道、収集、鍛錬の間での再戦まで入れると30時間は軽く超える。短い作品ではない。

最初に決めること

起動したら、先に難易度と操作タイプを決めた方がいい。途中の破魔鏡から難易度は何度でも変えられるが、最初の感覚がそのまま後半の癖になる。

  • 活劇
    物語を優先したい人向け。ボタンガイドが出て、入力のタイミングも少し甘め。アクションが苦手でも、受け流しと一閃の形は学べる。
  • 剣戟
    手応え重視。ガイドなしで敵の予備動作を自分の目で読む必要がある。ボスの力動を削る感覚も、こちらで覚えた方があとが楽になる。

自分は剣戟で始めた。序盤の雑魚はまだ甘いが、巌流との初戦あたりから「適当に振ると負ける」空気になる。アクションに自信がなければ活劇で問題ない。活劇でも死なないわけではない。ただ、死んだあとに何をすればよいかが画面に残る。

操作はベーシックとアクティブがある。ガードしながら回避したい人はアクティブ、ボタンの役割をシンプルにしたい人はベーシックが扱いやすい。拾い操作の位置も違うので、最初の屋敷で両方触ってから決めた方が後悔が少ない。

切断表現の有無も最初に見ておく。残虐表現が苦手ならオフで十分戦える。刀の手触り自体は変わらない。

戦闘の核は「削ってから斬る」

昔の鬼武者を「一閃ゲー」だと思っていると、最初は損をする。今作の基本はこうだ。

敵には体力とは別に、力動という構えのゲージがある。攻撃を当てる、受け流す、弾く、一閃を決めると力が落ちる。ゼロになると崩れる。崩れた相手に崩し一閃を入れると、部位を選んで大ダメージか魂放出かを選べる。赤い印はダメージ、紫は魂。ボスではこの選択が勝敗を分ける。

『鬼武者 Way of the Sword』ボスと高難度で詰まりやすいところ
『鬼武者 Way of the Sword』ボスと高難度で詰まりやすいところ

雑魚相手なら、力動を無視して押し切れる場面もある。だが中型以上は、力動を見ずに体力だけ削ろうとすると反撃をもらう。相手の攻撃をいなして力動を削り、崩してから斬る。この順番を守ると、急に楽になる。

主な行動は次の通り。

  • 片手攻撃
    速い。つなぎと牽制に使う。
  • 両手攻撃
    重い。隙も大きいが、力動を大きく削れる。
  • 受け流し
    攻撃をいなして相手の体勢を崩す。成功すると壁や火にぶつけられることもある。今作で一番使う技になる。
  • 弾き
    刃を弾き返す。ボスの力動を削るなら、受け流しよりこちらが効くことが多い。
  • 回避
    投げや一部の追撃は受け流しでは拾えない。足技と掴みは避ける。
  • 一閃
    敵の攻撃が当たる直前に攻撃ボタン。決まった瞬間の快感はシリーズらしい。ただし窓は狭い。失敗すると被弾する。通関の必須技ではない。雑魚戦で無理に狙うより、ボスの読みができた時に使う方が得だ。
  • 鬼ノ武具
    鬼力ゲージを使った特殊武装。双刀の連撃などがあり、当てると魂が出る。回復手段としても使える。

魂は三色ある。黄は体力、青は鬼力、赤は強化や取引。放置すると消えるし、敵に吸われることもある。戦闘が一段落したらすぐ吸う癖をつけた方がいい。

気焔状態に入るとダメージが伸び、弾きの効果も上がる。ボス前に溜めておくと崩し一閃の数字がはっきり変わる。剛力の御札と重ねるとさらに伸びるが、序盤から浪費すると後半で困る。大きな戦いの直前だけ使うくらいがちょうどよい。

回復の主軸は鬼灯。持ち数に上限がある。道端に落ちていても、全部拾って歩く必要はない。拠点と破魔鏡の位置を覚えて、減った分だけ補充する方が早い。

序盤の進め方

最初の舞台は血煙蓮台野まわりの屋敷と道中だ。ここでチュートリアルが終わる。吉岡清十郎との仕合は、操作確認だと思った方がいい。勝ち負けより、片手と両手の切り替え、ガードの向き、回避の距離感を体に入れる。

そのあと幻魔との初戦が来る。一ツ目笠のような雑兵は、まだ読みやすい。ここでやりがちな失敗は二つ。

『鬼武者 Way of the Sword』このゲームがどういう作品か
『鬼武者 Way of the Sword』このゲームがどういう作品か

一つは、一閃ばかり狙って被弾すること。序盤の一閃は成功しても気持ちいいが、失敗した時の代償が大きい。まずは受け流しのタイミングを固定する。刀が振り下ろされる直前ではなく、「肩と刃先が動いた瞬間」を見る。

もう一つは、魂を吸わずに先へ進むこと。黄魂を放置したせいで次の戦いで回復が足りなくなる。倒した直後に吸う。これだけで序盤の死亡率は下がる。

清水寺方面に進むと、宿敵の巌流と刃を合わせる。ここが最初の本番だ。雑魚と同じ感覚で押すと力動が減らない。巌流はフェイントが多い。大きく振ってくると思わせて、間を詰めてくる。受け流しだけに頼らず、弾きを混ぜる。力動が見えてから両手を入れる。崩し一閃が初めてまともに決まる戦いでもある。

巌流戦のあと、拠点となる六道珍皇寺に辿り着く。ここから京都(洛東)が広がる。破魔鏡がセーブとファストトラベルを兼ねる。触ると周辺の幻魔も戻るので、強化したい時は獄窓を探して戦う、進めたい時は目的地だけを見る、と使い分ける。

眼覚醒は探索用の力だ。隠された宝箱、道、瘴気の切れ目が見える。迷ったらまず眼を使う。腕覚醒や脚覚醒はストーリー進行で増える。壁走りや特定の破壊は、解放前に無理に探さなくていい。

出雲阿国と話して鬼灯袋をもらうあたりで、回復の型が揃う。ここまで来れば、本編の歩き方はほぼ分かる。

効率よく強くする順番

強化の軸は赤魂と御守、刀装、鬼ノ武具の育成だ。全部を均等に伸ばすより、戦闘に直結するものから上げた方が早い。

優先したいのはこの順だった。

  1. 受け流しと弾きの安定
    スキルでタイミングが広がるもの、成功時の力動削りが増えるものを先に取る。攻撃力を上げるより、削れる回数が増えた方がボスが短い。
  2. 鬼力の最大値と回復効率
    鬼ノ武具をボスで使えるかどうかは、ここで決まる。武具を温存したまま力動だけ削る戦いより、途中で魂を出して立て直せる戦いの方が事故が少ない。
  3. 持ち歩き回復
    鬼灯袋の拡張は地味だが、探索中の引き際を変える。袋が小さいと、少し傷ついただけで拠点に戻ることになる。
  4. 攻撃力と一閃強化
    手数が安定してからでいい。一閃を強化しても、まだ決められないうちは数字が死ぬ。
  5. 見た目の刀装
    予約特典やエディションの封呪は、性能より気分の問題。強さに困っていなければ後回しで構わない。

洛東を歩くと、住民の依頼や獄窓、収集物が大量に出る。全部拾おうとすると本編の熱が冷める。自分の基準はこう決めた。

  • 目的地までの道で目に入った箱は開ける
  • 住民がすぐ近くで助けを求めているなら助ける
  • 遠くの収集だけのために往復しない
  • ボス前だけ、周辺の獄窓を一つ潰して魂を稼ぐ

サイドクエストの中身は、戦闘の応用であることが多い。新しい敵の癖を覚えるには役立つが、物語として強いものは少ない。本編の武蔵と巌流、籠手の中の佳人との会話の方が、ずっと印象に残る。

紫式部関連の依頼は、京都の空気を足すための寄り道だ。急がなくていい。クリア後や、戦闘に飽きた時に回すとちょうどよい。

装備の初期化ができる点は助かる。序盤で攻撃寄りに振ってしまい、中盤の弾き主体に切り替えたくなった時、振り直しが効く。一つに固定しすぎない方がいい。

ボスで意識したこと

今作の見せ場はボスだ。雑魚戦は「通るための戦闘」、ボスは「試される戦闘」になっている。

どの相手でも共通していたのは、次の四点だった。

  • 初見は攻撃しない。予備動作を二周見る
  • 投げと多段は回避、斬撃は受け流し、重い一発は弾き
  • 力動が半分を切るまで大技を温存する
  • 崩れたら部位を見る。今すぐ倒したいなら赤、次のラウンド用に回復と強化を足したいなら紫
鬼武者 Way of the Sword
鬼武者 Way of the Sword

酒呑童子のような巨体は、間合いが遠い。近づいて片手を連打すると踏み潰される。遠目から弾き、足元の隙で両手、離れられたら弓や鬼ノ武具でつなぐ。

俊敏な相手、怒伐天や朧烏の系統は、一閃の誘惑が強い。見切れた時だけ狙う。見切れないなら受け流しの連打で十分削れる。

兄弟幻魔のように役割が分かれている相手は、片方だけを見ない。片方が予備動作に入ったら、もう片方の位置を先に取る。画面の外から来る攻撃が多い。

巌流との再戦は、序盤よりフェイントが増える。刀を大きく振りかぶったあとで間を詰める、受け流しを誘って掴みに来る、といった読み合いになる。ここで弾きが身についていないと長い。逆に、弾きから崩し一閃の流れが決まると、今作で一番気持ちのいい戦いになる。

負けたボスは鍛錬の間でやり直せる。本編で無理にノーダメージを狙う必要はない。一度倒して型を覚えてから、再戦で詰める方が精神的にも楽だ。

物語と京都について

武蔵は最初から英雄として振る舞わない。籠手をつけられたことを嫌い、自分の腕だけで剣の道を歩きたいと言い続ける。そのくせ、斬らなければ人が死ぬ現場に何度も立つ。人間味がある、というより、未熟なまま強い力を持たされた男、という印象が強い。細谷佳正の声が、三船の顔に意外なほど馴染む。怒鳴る場面より、小さく舌打ちする場面の方が武蔵らしい。

鬼の佳人は、孤独な旅をさせないための存在だ。戦闘中も、探索中も話しかけてくる。お堅い案内役ではなく、武蔵の短気に付き合う相手になっている。籠手の中から声だけが聞こえる時間の方が長く、姿を見せた時の印象が残る作りだ。

巌流は対照的に、籠手の力を楽しむ。武蔵が勝ち続けてきた因縁を、力の側からひっくり返しに来る。性格が悪い。それが悪い意味ではなく、対戦相手としてわかりやすい。京の街を歩いていると、本編の主題である「剣の道をどう歩むか」より、二人の因縁の方が先に頭に残る。

京都の再現は丁寧だ。六道珍皇寺、清水寺、建仁寺、安井金比羅宮まわりなど、実在の場所を核に瘴気を被せている。昼の洛東より、夜と霧の中の方が絵として強い。ただ、ワイドリニアの歩きは長い。破魔鏡から破魔鏡への移動、同じような雑魚の再出現、依頼の往復が続くと、刀を振るう理由が薄れる。戦闘の完成度が高いだけに、つなぎの時間が惜しい。

黒魂で過去の断片を見る演出は、世界の暗さを補っている。子どもを舞台から落とさせるような描写もあり、単なる刀アクションではないことは分かる。ただ、その断片が本編の結論まで一本に結ばれるかというと、途中で置いていかれる話もある。キャラクターの会話の熱に比べると、世界の謎の回収は淡い。

鬼武者 way of the sword 強化 宮本武蔵を強くする強化の進め方
鬼武者 way of the sword 強化 宮本武蔵を強くする強化の進め方

気になった点

褒めるべき点は戦闘とボス、武蔵と巌流の対比、刀が当たった時の音とモーションだ。達人を呼んで撮ったという動きは、画面でも分かる。静と動の間がはっきりしている。構えている時間があるから、斬った瞬間が生きる。

一方で、購入前に知っておいた方がいいこともある。

敵の種類は、序盤こそ新鮮だが、中盤以降は色違いと役割違いが増える印象が強い。一ツ目笠の集団、俊敏な刀、護符の巨体、寄生、回転突進。バリエーションはあるが、「新しい相手に出会った」感覚はボスに集中している。

半オープンの京都は、広いのに中身が薄い時間がある。住民を助ける、箱を開ける、獄窓を閉じる。目的は分かるが、武蔵の心情とは結びつきにくい。本編のムービーが熱を持った直後に、同じ路地を往復すると冷める。

英語音声を選ぶと、和の絵に声が乗らない場面がある。日本語音声の方が世界に合う。字幕の速度は設定で変えられるので、カットシーンが多い序盤は少し遅めでもいい。

体験版で強く感じた爽快感と、製品版の中盤の歩きの長さは別物だ。体験版は戦闘の見せ場を切り取っている。本編は、その見せ場と見せ場の間に京都がある。

死にゲーではない。理不尽な即死より、読み違いで削られる死に方をする。活劇なら補助があるし、剣戟でも破魔鏡は近い。怖いのは難易度そのものより、「今の自分の型が相手に合っていない」と気づくまでの時間だ。

こういう人に向いている

向いているのは、刀の打ち合いそのものを楽しみたい人、ボス戦で型を覚えるのが好きな人、武蔵と巌流の因縁を最後まで見たい人だ。受け流しが決まった時のスローと金属音が好きなら、欠点を飲み込みやすい。

向かないのは、常に新しい敵と新しい場所を求めたい人、オープンワールドの依頼をコンプリートしないと気が済まない人、ストーリーの回収の速さだけを求める人だ。歩く時間が長い。その時間を「京都を見る時間」と思えるかどうかで評価が分かれる。

シリーズ経験者は、一閃の感覚を一度捨てた方がいい。今作の一閃はご褒美に近い。主食は受け流しと弾きと力動だ。未経験者は、活劇から入って剣戟に上げるのが一番事故が少ない。

まとめ

『鬼武者 Way of the Sword』は、刀の denseness( denseness は使わず言い換える)重さと、刃が噛み合った瞬間の快感で勝負する作品だった。20年の空白を、昔のバッサリ感の再現だけで埋めようとはしていない。静かな構え、受け流し、弾き、崩してから斬る。その順番を覚えた時に、武蔵を操作している実感が出る。

物語は、望まない力を持たされた男が、それでも斬り続ける話だ。結論の切れ味は人によって評価が分かれると思う。自分は、佳人との短いやり取りと、巌流の笑い方の方が、大きな謎解きより残った。

京都は美しいが、広い。戦闘が最高だからこそ、つなぎの雑用が目立つ。全部拾る必要はない。目的地へ刀を持って歩き、大きな相手の力動だけは丁寧に削る。それだけで、今作の美味しい部分はほとんど取れる。

クリアしてからの再戦と、鍛錬の間での詰めが、本編より楽しい人は少なくないはずだ。まずは活劇でも剣戟でもいいから、最初の巌流まで届けること。そこで弾きが決まれば、このゲームの核はもう分かっている。

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