(メタスコア)鬼武者 Way of the Swordは、高評価に見合うか

(メタスコア)鬼武者 Way of the Swordは、高評価に見合うか

発売から少し経って、ようやく本編を一通り切り終えた。体験版の巌流戦だけ触って「これは良さそうだ」と思っていた人は多いはずで、自分もその一人だった。実際に京都を歩き、雑魚を斬り、ボスで何度も転んで、クレジットを見たあとに残った感想は単純だ。数字の話だけ先にすると、海外のレビュー集積ではおおむね85前後、機種によってはそれ以上が付いている。シリーズとしては『鬼武者3』と並ぶ高水準で、IGN本体は満点を出している。ただ、点数を見て買うゲームではない。刀が当たった瞬間の重さと、受け流しが決まったあとの間合いの方がよほど大事だ。この記事では、評価がどこから来ているのかを整理したうえで、最初に何を覚えれば詰まらずに進めるかを書く。

20年ぶりの新作が、いまどんな位置にいるか

『鬼武者 Way of the Sword』は2026年9月4日発売の剣戟アクションだ。対応はPlayStation 5、Xbox Series X|S、PC、Nintendo Switch 2。開発・発売はカプコン、エンジンはREエンジン。前作『新 鬼武者 DAWN OF DREAMS』から約20年ぶりのシリーズ完全新作で、過去作の物語とはつながっていない。初めて触る人でも問題ない設計になっている。

舞台は江戸時代初期の京都。ただし観光地の京都ではない。瘴気に侵され、寺社も坂も橋も、どこか歪んでいる。主人公は宮本武蔵。声は細谷佳正、フェイスモデルは三船敏郎。剣の道を極めるために京へ来た若い武芸者が、幻魔に一度殺され、地獄の入口で「鬼の篭手」を嵌められて蘇る。力は欲しくない、刀の腕だけで勝ちたい。その意地が、今作の武蔵を動かしている。

【鬼武者WS】おすすめ能力強化【鬼武者 Way of the Sword
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ライバルは佐々木巌流。同じように篭手を持ち、同じように蘇った男だ。体験版でも戦える相手なので、本編に入る前に手触りを確認した人は多いと思う。ほかに、篭手の中に棲む「鬼の佳人」、六道珍皇寺で武蔵を導く小野篁、歌舞伎の出雲阿国などが絡む。歴史上の名前が並ぶが、史実再現というより、京の夜に紛れ込んだ奇譚として読んだ方が気持ちいい。

クリア時間の目安は、物語を優先して進めるなら20時間前後。探索や依頼、狛犬、隠しを拾いながら歩くと25〜30時間は軽く超える。死にゲーではない。開発側もそう言っているし、実際に理不尽な即死で詰まる感じは薄い。代わりに、読みを外すと削られる。その差は大きい。

価格は通常版8,990円、デラックス9,990円、プレミアムデラックス10,990円。体験版は発売前から出ていたので、戦闘の感触だけ先に確かめた人も多いはずだ。

海外評価は高い。ただし全部を褒めているわけではない

発売直前にレビューが解禁され、MetacriticではPS5版が85前後、OpenCriticでは86前後で「Mighty」扱いだった。レビュー数の多いPS5版は好評が9割を超え、低評価はほぼ見当たらない。Switch 2版は件数が少ないながら89〜90とさらに高い数字が付いた時期もある。PC版は82〜83と、据え置きより少し控えめだ。ユーザー側もおおむね好意的で、Metacriticのユーザースコアは8.6前後、Steamも「非常に好評」から「好評」の帯で滑り出した。発売当日には世界累計100万本超え、Steam同接は4万を超えたという話も出ている。数字だけ見れば、20年ぶりの復活作としては上々だ。

褒められている点はほぼ一致している。

  • 受け流し、弾き、一閃を軸にした剣戟の手触り
  • ボス戦の演出と、戦いながら上達する感覚
  • 武蔵の佇まいと、周囲の人物との関係
  • REエンジンによる京都の質感

逆に、減点の理由もだいたい揃っている。

  • 雑魚と中ボスの種類が思ったより少ない
  • 同じ相手を何度も斬る区間がある
  • ワイドリニアな京都の歩きが、人によっては間延びする
  • 物語の結びが物足りない、という声

日本語圏では温度差もある。海外で満点が付いた一方で、国内レビューには「剣戟は最上だが、バッサリ感や敵のバリエーション、ストーリーの着地は割り切りがいる」と書くものがあった。自分の感覚もそれに近い。刀を合わせている時間は今年一番面白い部類だ。京都を歩いている時間は、景色が好きなら得をし、探索が苦手なら少し息が上がる。

点数は「買う理由」にはなるが、「どう遊べば得するか」は教えてくれない。ここから先は、実際に切りながら覚えた話になる。

今作の戦い方は、一閃ゲーではない

昔の『鬼武者』を「一閃を決めるゲーム」だと思っていると、最初に損をする。今作の主食は力動だ。

敵には体力とは別に、構えのゲージがある。攻撃を当てる、受け流す、弾く、一閃を決めると、このゲージが減る。ゼロになると体勢が崩れる。そこへ「崩し一閃」を入れると、雑魚はほぼ落ち、ボスでも大きな穴が開く。体力だけを削っていると長い。序盤から「力動を意識して斬る」癖をつけた方が、後半が楽になる。

主な行動はこう分かれる。

  • 片手攻撃
    速い。牽制とつなぎ。雑魚の間合いを測るときに使う。
  • 両手攻撃
    重い。隙も大きいが、力動を大きく削れる。相手が防御に入った瞬間が狙い目。
  • 受け流し
    攻撃をいなして体勢を崩す。壁や火、別の幻魔にぶつけられる。今作で一番使う技になる。
  • 弾き
    刃を弾き返す。ボスの力動を削るなら、受け流しより効くことが多い。飛び道具を跳ね返せる。
  • 回避
    投げ、足技、一部の突進は受け流しでは拾えない。無理に刀で取ろうとしない。
  • 一閃
    敵の攻撃が当たる直前に攻撃ボタン。決まった瞬間の快感はシリーズらしい。窓は狭い。失敗すると被弾する。通関の必須技ではない。
  • 崩し一閃
    力動を削り切ったあとの大技。赤い印はダメージ寄り、紫は魂の放出寄り、という使い分けがある。

受け流しを重ねると「気焔」状態に入る。攻撃が乗りやすくなり、青魂も出やすくなる。見た目が派手になるだけではない。守ってから攻める流れが、そのまま火力になる設計だ。

魂の色も昔どおりだ。黄魂で体力、青魂で鬼力、赤魂で強化。敵にダメージを与えると魂が飛び散る。武蔵が吸えば回復とリソースになるが、敵に吸われると相手が強化される。雑魚戦で放置していると、腹が膨らんだり金棒が大きくなったりする相手が出てくる。先に吸うか、あえて強化させてから崩すか。ここも立ち回りの一部だ。

鬼の篭手は、単なるパワーアップ装置ではない。武蔵本人は力を疎んでいる。だから序盤は「刀で勝てる範囲」を意識した方が、キャラクターにも操作にも合う。中盤以降、探索用の鬼の力(壁走りや破壊)と戦闘用の武具が分かれてくるので、最初から全部を使い切ろうとしなくていい。

【鬼武者Way of the Sword】百穢はどこで出てくるか
【鬼武者Way of the Sword】百穢はどこで出てくるか

始める前に決めておくこと

起動したら、難易度と操作を先に決めた方がいい。途中の破魔鏡から難易度は何度でも変えられるが、最初の感覚がそのまま後半の癖になる。

  • 活劇
    物語優先。ボタンガイドが出て、入力の猶予も少し甘い。剣戟アクションに自信がない人、まず武蔵の話を見たい人向け。死なないわけではないが、ボスの壁はかなり低い。
  • 剣戟
    手応え重視。予備動作を自分の目で読む必要がある。ボスで二、三回落ちるのは普通。自分はこちらで一周した。
  • 最高難易度
    クリア後に解放される。最初からは選べない。プラチナや実績を狙う人向け。

活劇でも、設定からアクション補助を切れる。剣戟でも補助をオンにできる。名前に「イージー」と書いていないのは、開発側が歯応えを捨てたくなかったからだと思う。実際、活劇は物語視聴向きで、剣戟は戦闘そのものを楽しむ向きだ。迷ったら活劇で最初のボスまで進み、受け流しの感覚が掴めたら剣戟に上げると事故が少ない。

操作タイプも最初に確認する。受け流しと弾きの配置が手に合っていないと、中盤の集団戦で指が疲れる。切断表現のオンオフも用意されている。映像の好みで変えればいい。アクションプロンプトは、慣れてきたら早めに切った方がいい。画面は「何を押すか」しか教えてくれず、「いつ押すか」は自分の目で覚える必要があるからだ。プロンプトに頼っていると、巌流以降で遅れる。

カメラとロックオンも癖がある。狭い坂や複数体が絡む場所では、引きすぎると刃先が見えなくなる。少し寄って、相手の肩と刃先を見る。一閃も受け流しも、「刀が振り下ろされる直前」ではなく「肩が動いた瞬間」を見た方が安定した。

序盤の進め方

最初の舞台は清水周辺から京の東側に広がる。ワイドリニアで、完全なオープンワールドではない。要所にファストトラベル用の破魔鏡があり、光の軌跡が目的地を示す。迷いにくい代わりに、同じ坂を何度も上ることになる。

序盤で優先したいのは次の順だ。

  1. 刀の基礎強化
  2. 受け流し、弾き、一閃まわりの基本能力
  3. 双刀「二天」のコンボ
  4. 魂吸収の改善(攻撃中に吸えるようになったら最優先)
  5. 鬼灯袋の枠を増やす
  6. 眼覚醒の探索範囲と宝物関連

鬼石はすぐ全部使わない。探索範囲が広がると、素材と御守の取りこぼしが減る。ボス前に強化できるものが増えるので、先に「見つける力」を上げた方が結果的に強い。

御守と鬼灯袋は、序盤の生存率を一番左右する。袋の枠が増えると回復とお供物の持ち歩きが楽になる。回復アイテムの強化は地味だが、剣戟でボスに lag する人ほど効く。赤魂は源頼政のところでアイテムに換えられる。序盤の赤魂を全部刀にぶつけるより、袋と探索を先に見た方が後が楽だった。

狛犬は集める。紫式部が八坂あたりで「いとあはれ」な話を集めている、あの流れだ。戦闘には直接関係しないが、京の端に置いてあるものを後回しにすると、クリア直前の掃除が重い。一周目で拾えるものは拾っておいた方がいい。

依頼イベントは、幻魔に襲われている人を助けるタイプが多い。報酬は悪くない。ただし全部を完璧に拾おうとすると、本筋の熱が冷める。自分の目安は「破魔鏡の近くで見かけたら助ける」「遠回りになる依頼は後回し」だった。中盤以降、同じ中ボス系統が繰り返し出るので、探索が目的化すると疲れやすい。

体験版で巌流と戦った人は、本編でも同じ相手と再度斬り合う。フェイントが多い。大きく振ってくると思わせて、間を詰めてくる。受け流しだけに頼らず、弾きを混ぜる。力動が見えてから両手を入れる。雑魚と同じ感覚で強攻撃を連打すると、力動が減らずにカウンターを食らう。

効率よく強くなるための実戦メモ

戦闘で一番効いたのは、「どの攻撃にどの対応を決めておく」ことだった。その場の勘だけだと、中盤の手数の多い相手で崩れる。

  • 通常の斬撃……受け流し、あるいは弾き
  • 白い光を纏った攻撃……回避不能。刀で止める
  • 青い攻撃……掴み系。タイミングで掴み返す
  • 肩のタックルや突進……回避が無難なことが多い
  • 投げ……防御不能。ギリギリで抜けられると、こちらが大きく返せる相手もいる

一閃はハイリスクハイリターンだ。成功すれば大ダメージと魂がまとめて入る。ボス初見では窓が狭いので、まずは弾きで力動を削る習慣をつけ、余裕が出てから混ぜると伸びが早い。ジャンプからの体術など、一部の攻撃は一閃の受付が広め、という感触もある。全部に一閃を狙う必要はない。

強攻撃だけを使わない。両手は力動を削る道具であって、主武器ではない。片手で間合いを作り、受け流しで気焔を貯め、崩れたところに両手か崩し一閃。この順番が一番事故が少なかった。気焔中は無理に離れてリセットしない。維持したまま押し切った方が、魂もダメージも得をする。

環境も使う。受け流しで押し込んだ幻魔は、壁、火、干した洗濯物、別の幻魔にぶつかる。集団戦では、一人を弾いてもう一人にぶつけると両方の力動が減る。見た目のギャグに見えるが、数字はちゃんと減る。荷車や畳を盾にする場面もある。刀だけで解決しようとしない方が、今作らしい。

魂は戦闘中に吸う。戦闘後に拾う癖だと、途中で敵が強化される。二天は当てると魂が出やすいので、体力が削れた瞬間の回復手段になる。鬼ノ武具は温存しすぎない。ボスの体力が半分を切ったら使った方が、結局は安全だ。

部位も見る。背中の袋を持つ相手、札を貼った巨体、腹が膨らむタイプなど、見た目の変化が弱点や強化の合図になっている。全部を暗記する必要はない。大きくなった部位、光っている部位、糸でつながっている部位を優先して斬れば足りることが多い。

設定面では、演出の長さとカメラの揺れを自分の好みに合わせる。フォトモードもある。京の夜と刃の軌跡は、止まって見るとよくできている。ただし戦闘中に凝りすぎると間合いを失うので、撮影は破魔鏡の近くでいい。

中盤以降で差がつく点

中盤から、敵の種類の少なさが見えてくる。一ツ目笠のような雑魚、強化個体、寄生するタイプ、首から光を吸うタイプ。バリエーションは印象に残る一方で、同じ顔ぶれが別の場所でまた出てくる。ここが評価の分かれる地点だ。戦闘そのものが好きな人は「同じ相手でも力動の削り方が違う」と感じる。探索が目的の人は「またこの相手か」と感じる。自分は前者だったが、四条や鴨川周辺を往復していると、後者の気持ちもよく分かる。

ボスは完成度が高い。食欲全開の巨体、縁を曲解する相手、札を貼った斧使い、鵺のように回避と反撃が主になる相手。予兆は読みやすいが、連続技と投げが混ざるので、初見の二、三回落ちは想定内だ。敗北してもその場で再挑戦できる戦いが多く、ペナルティで探索まで戻されるストレスは少ない。ボスで詰まったら、破魔鏡に戻って強化を確認する。どうしてもダメなら活劇に下げる。難易度変更は何度でもできる。意地で剣戟に固定する必要はない。

スキルは戦闘系だけを盛らない。完全覚醒まわり、吸収量、袋、探索は中盤の時短になる。稼ぎ場所として名前が上がりやすいのは八坂の塔周辺や鴨川東、四条通あたりだ。一周目で極めるなら、スキル・御守・袋を優先する。京都の謎や出会いものは周回でリセットされるものがあるので、収集勢は一周目のうちに潰すか、最終決戦前に戻った方がいい。覚醒した鬼の力や基本スキルは持ち越せる一方、赤魂や一部の強化進捗は持ち越せない。プラチナを狙う人は、最初にこの区分だけ把握しておく。

物語は、望まない力を持たされた男が、それでも斬り続ける話だ。武蔵と佳人の掛け合い、阿国とのやり取り、巌流との関係の変化は、戦闘の合間に効いてくる。一方で、京都の依頼と本筋のつなぎは薄いと感じる場面もある。ワイドリニアにした結果、「今、何のために歩いているのか」が薄れる区間があるのは事実だ。景色を見る時間だと思える人は得をする。目的地まで一直線に行きたい人は、光の軌跡だけを追えばいい。

【鬼武者WSスキル】気焔状態
【鬼武者WSスキル】気焔状態

誰向けの作品か

向いている人ははっきりしている。

  • 刀と刀が噛み合う瞬間が好きな人
  • パリィと読み合いを自分の手で上達させたい人
  • ボス戦を何度でもやり直せる人
  • 三船敏郎の顔をした武蔵が、京の夜を歩く画が欲しい人

少し慎重になった方がいい人は、次のタイプだ。

  • オープンワールドの探索そのものが目的の人
  • 敵の種類の多さでテンポを保ちたい人
  • 一閃だけで全部を解決したい人
  • 物語の着地の切れ味を最優先する人

シリーズ経験者ほど、昔のバッサリ感を一度横に置いた方がいい。今作は「ねっとり受けて、崩してから斬る」側に寄っている。受け流しのモーションは、弾くというより円を描いていなす。現代のキャプチャとREエンジンがあるから成立した動きで、開発もそう言っている。最初は遅く感じる。慣れると、雑に振っていた頃には戻れなくなる。

機種差も少しある。映像とフレームの安定を取るなら据え置きが無難で、携帯して京を歩くならSwitch 2の評価の高さが気になるところだ。PCは設定の幅が広い反面、レビュー上の点数は据え置きより控えめだった。自分の環境で体験版を動かした方が早い。

まとめ

『鬼武者 Way of the Sword』の評価が高い理由は、 sensō ではなく剣戟の完成度にある。85前後という数字は、受け流しが決まり、力動が折れ、崩し一閃が腹を割った瞬間の気持ちよさを、多くの媒体が同じ方向から書いた結果だと思う。一方で、歩く時間の長さと敵の再利用は、数字の外側に残る。そこを許容できるかどうかで、個人の点数は10点くらい動く。

最初にやることは少ない。難易度は活劇か剣戟か、手が覚えるまで決める。強攻撃を連打しない。肩を見て受け流す。魂は先に吸う。袋と探索を先に伸ばす。一閃はご褒美にする。これだけで、清水から巌流までの坂はかなり穏やかになる。

20年ぶりに刀を握った感想を、短く言うならこうなる。武蔵は強い。京都は美しい。物語は人を選ぶ。戦闘は、今年のアクションの中でも上位に置いていい。点数を見て迷っている人は、体験版の巌流戦だけでもいい。あの一本が気持ちよければ、本編の20時間は無駄にならない。刃が噛み合った瞬間に、数字の話は少し後ろへ下がる。それが今作の一番正直なところだ。

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