【ACE8】『エースコンバット8』メタスコア87点。7年ぶりの空は、どこまで本物か【ACE COMBAT 8: WINGS OF THEVE】

【ACE8】『エースコンバット8』メタスコア87点。7年ぶりの空は、どこまで本物か【ACE COMBAT 8 WINGS OF THEVE】

発売を目前に控えた『ACE COMBAT 8: WINGS OF THEVE』(エースコンバット8 ウイングス・オブ・シーヴ)の海外レビューが解禁され、Metacriticの数字が一気に話題になった。PS5版はおおよそ87〜88点、PC版は86点、Xbox Series版はサンプルこそ少ないが90点前後。OpenCriticでは平均88点、推奨率はほぼ98パーセント。シリーズ歴代で見れば『エースコンバット04 シャッタードスカイ』の89点に次ぐ位置で、前作『7』の86点を上回っている。

数字だけ見れば「大成功」だ。ただ、エースコンバットは点数より「空に乗った瞬間の感覚」で判断される作品でもある。ここでは、レビューが何を褒め、何を慎重に見ているのかを整理しつつ、これから飛び立つ人向けに、序盤の進め方と戦い方までまとめる。

いま出ている評価の中身

メタスコアは「平均」なので、満点と80点台が混ざると見え方が変わる。今回は否定レビューがほぼゼロで、賛否両論もごくわずか。GuardianやOmelete、MonsterVine、PSX Brasilなどが100点を付け、PC Gamerが92点、GamesRadar+やDestructoid、Hardcore Gamerが90点前後、Push Squareや一部媒体が80点前後、という分布だ。

高く評価されている点は、ほぼ共通している。

  • ドッグファイトそのものの手触り
  • 雲と天候の表現
  • オーケストラとギターが絡む音楽
  • キャンペーンのスケール(おおよそ30ミッション、通常プレイで25時間超)
  • 僚機とのやり取りと、主人公視点の演出

慎重に見られている点もはっきりしている。

  • カットシーンが長い場面があり、テンポが落ちる
  • 物語のドラマがやや過剰に感じる瞬間がある
  • 機体強化ツリーの分かりにくさ
  • ベースPS5の映像が他機種ほど尖らない、という指摘

つまり「空戦は文句なし、物語と間の取り方で好みが分かれる」という読み方が一番近い。点数が高いのは、空戦が弱い作品に高得点が付いているわけではない、というだけだ。エースコンバットを知っている人ほど、この数字の意味は分かりやすい。

シリーズ比較でよく出るのは次の並びだ。

『04』を超えたわけではない。ただ「25年ぶりの高水準」と言われるのは、数字の並びだけ見ても妥当だ。

どんな戦争を描いているのか

舞台はストレンジリアル、2029年7月。中央ユージア連合(FCU)がソトア共和国の電撃侵攻を受け、国土の大半を失う。プレイヤーは救難ボートで漂っていたところを空母「エンデュランス」に拾われ、伝説のエース、ジャン・コープ——コールサイン「レックス」、通称「シーヴの翼」——の名を継ぐことになる。本物のレックスは海に沈み、残ったのはドッグタグと、士気を支えるための「偽の英雄」だ。

所属するのはジョーカー隊。僚機はバクスター(プロフェッサー)、ターシャ、コスター(ノイズ)。対するソトア側には精鋭隊ルクス・ルナエ(シャドウ)がいる。首都シーヴの奪還、陸上戦艦との対決、情報戦が絡む戦況——シリーズらしい「巨大兵器と英雄譚」は健在で、脚本は『04』『5』『7』にも関わった片渕須直氏。音楽は渡辺量氏と北谷光浩氏。

『エースコンバット8』
『エースコンバット8』

今作の演出で一番大きいのは、カットシーンが一人称に寄っている点だ。コックピットの外でドラマが流れるのではなく、自分がその場にいる感覚で会話が進む。Top Gun: Maverickを連想するレビューが多かったのも、この顔の寄りの撮り方と、空母を拠点にした運用が理由だろう。カバー機体がF/A-18Eスーパーホーネットなのも、空母運用を前面に出した結果だ。

物語は「戦争は正義か悪か」を単純に分けない。偽の英雄として飛び、本物のエースになっていく過程が、プレイヤーの操作と直結している。ここを「メロドラマが強い」と感じるか「シリーズらしい熱量」と感じるかで、レビューの温度差が出ている。

前作から何が変わったか

『7』を遊んだ人向けに、体感で効く変更だけ書く。

特殊兵装を2種類搭載できる。1種類に絞れば弾数が増える。対空と対地が混在するミッションでは、2種持ちがほぼ前提になる。逆に「今夜はこのミッションの性格が分かっている」なら、1種特化の方が強い場面もある。

僚機指示が『5』寄りの形で戻ってきた。前方攻撃、分散攻撃、特殊兵装の使用許可、援護。ジョーカー隊はかなり優秀で、自分が処理しきれない敵を確実に落としてくる。指示を出さないと「ただ後ろを飛ぶ3機」になるので、序盤から癖を付けた方がいい。

大型目標はコンテナ以外にも当たり判定がある。対空砲やVLSを潰すと誘爆し、本体に追加ダメージが入る。撃墜された機体の残骸にも判定が残り、別の敵に当たると連鎖で落ちることがある。見た目の派手さだけでなく、乱戦の処理速度が変わる。

雲は独自技術「Cloudly」を含むUE5表現で、高度と天候で機体の扱いが変わる。『6』や『7』でハイGターンを連打すれば何とかなった感覚は、今作では少し薄い。追撃と逃げの距離感が長く、気象が邪魔をしてくる。レビューが「ハイGの連打なしで追撃が成立する」と書いたのは、この部分だ。

キャンペーンはMRP(戦果ポイント)で機体ツリーを進める。機体、強化パーツ、特殊兵装を解放する。パーツ枠はBODY / ARMS / MISCに分かれる。僚機の機体も自分で選べる。面倒ならオート編成がある。

オンラインはキャンペーンとセーブが別。エアベースと呼ばれるビジュアルロビーから出撃し、クロスプレイ対応。4人×2のPvE、PvPvE、8人で巨大兵器に挑むEmergency Sortieなど、シリーズ最大規模と案内されている。ロールはファイター、アタッカー、マルチロール、電子戦機。

VRは今作には入っていない。画面のスケールと雲の表現に振った結果だ。

初めて飛ばす人へ

難易度は最初からACEにする必要はない。ノーマルかハードでキャンペーンを一通り見た方が、機体の個性も物語も残る。コントロールアシストはオンで始めていい。オフにするのは、自分で機首の置き場所が見えてからで十分だ。

出撃前に見るべきなのはブリーフィングだけではない。

  • 対空中心か、対地中心か、混在か
  • 時間制限や護衛対象があるか
  • 天候(雲の厚さ、視界、乱気流)
  • 使用可能な特殊兵装の弾数

序盤のおすすめは、扱いやすいマルチロールから入ること。F/A-18系列は空母運用と兵装のバランスが良く、最初の「自分の機体」として噛み合いやすい。対空特化の軽戦闘機は気持ちいいが、地上目標が多いミッションで弾切れしやすい。対地特化はスコアは伸びるが、エース機との一騎打ちで苦しむ。

特殊兵装の考え方はシンプルでいい。

  • 対空が多い:4AAM / 6AAM、QAAM、HVAA系
  • 対地が多い:GPB、LASM、SOD系
  • 混在:対空1+対地1
  • ボスや大型:誘導の安定した対艦・対大型か、レーザー系が解禁されていればそちら

2種持ちは「保険」ではなく「役割分担」だ。同じ系統を2つ積むより、空と地を割った方がミッション全体の事故が減る。弾数が減るのは事実なので、通常ミサイルと機関砲の精度がそのまま生存率になる。

『エースコンバット8』、アーリーアクセス前に知っておきたいこ
『エースコンバット8』、アーリーアクセス前に知っておきたいこ

僚機指示の使い分け。

  • 前方攻撃:今ロックしている敵を集中砲火。エース機や優先目標向き
  • 分散攻撃:数が多い雑魚処理。自分が別の列を刈る間に、僚機が別列を崩す
  • 特殊兵装許可:火力が欲しい局面だけ。撃ち切らせないよう、不要なら止める
  • 援護:自分が狙われているとき。背後に付かれた瞬間に出す

ジョーカー隊は放っておいても強いが、「今何をしてほしいか」を出さないと、同じ敵を重ね撃ちして弾を無駄にする。指示は連打せず、戦況が変わったタイミングで切り替える。

大型目標は本体だけ撃たない。武装を落としてから本体、が基本。残骸が流れてくる航路に敵がいるなら、わざと残骸をぶつける意識を持つ。派手な連鎖は狙って出すものではなく、乱戦の副産物として拾うものだ。

効率よく進めるための実務

MRPは全機体を最初から狙わなくていい。キャンペーン初周は「今の戦場で困らない機体」を優先する。対空に強い1機、対地に強い1機、どちらも無難な1機。この3枠があれば、30ミッション近くは十分回る。

パーツは攻めるより先に、生存に効くものを見る。ミサイル回避、耐久、ロック時間短縮、特殊兵装の誘導補正。火力パーツは、自分が命中させられるようになってからで遅いことはない。機体が汚れる演出はあるが、性能への影響を気にするより、ハンガーで愛着を見る要素と考えていい。

スコアランクを上げたいなら、撃墜数より「何を、どれだけ早く、どれだけ無駄撃ちせず落としたか」が効く。サブ目標、地上兵器、無人機、護衛対象の損失有無。Sランクを初周で全部取る必要はない。ストーリーを一通り見て、気に入ったミッションだけ再出撃する方が精神衛生がいい。今作はミッション単体の完成度が高く、周回前提の設計に寄っている。

難易度を上げるタイミングは、通常ミサイルのリード射撃が安定してから。ハード以上は敵のミサイル密度が上がり、雲に隠れる・高度を変える・フレアのタイミングがそのまま生死になる。ハイGターンはまだ使えるが、それだけに頼ると追撃側に回った瞬間に置いていかれる。

音楽は戦闘のテンポメーカーだ。ギターが入る局面、オーケストラが厚くなる局面で、ゲーム側が「今は追う時間」「今は耐える時間」を示している。BGMを小さくして飛ばすと、今作の良さの半分は落ちる。

オンラインに出る前に知っておくこと

キャンペーンで機体を揃えてからオンライン、が無難。オンライン側の進行は別管理なので、「キャンペーンの愛機がそのまま使える」とは限らない。ロールを決めて出た方が勝ちやすい。全員がファイターだと地上点が伸びず、全員がアタッカーだと敵エースに溶ける。

簡易チャットとスタンプ、攻撃指示は使った方がいい。無言4人は、見た目は揃っていてもチームではない。巨大兵器ミッションはキャンペーンのボス戦より情報量が多い。武装部位を分担して潰す意識がないと、耐久だけ見て撃ち続けることになる。

クロスプレイは便利だが、入力デバイスの差は残る。パッド勢は視点と機動の滑らかさ、キーボード勢は細かい補正。どちらが上という話ではなく、同じ空に混ざる前提で距離感を掴む必要がある。

点数の読み方と、買う前の判断

87点は「万人向け傑作」というより、「このジャンルを求める人には非常に強い」数字だ。フライトシューティングは市場自体が細い。その中で、映像、音、空戦、キャンペーン量を同時に高く評価されたのが今作の位置づけである。

向いている人。

  • 『7』をクリアして、次の空が欲しかった人
  • 空戦の手触りを最優先する人
  • 僚機との掛け合いを含めたキャンペーンが好きな人
  • 巨大兵器と音楽の高揚がシリーズの本体だと思っている人

少し慎重でいい人。

  • カットシーンの長さが苦手
  • シミュレーション寄りの実在機操作を求めている
  • オンラインだけが目的
  • VRでもう一度飛びたかった

価格は国内で通常版9790円、デラックス11990円。デラックスは3日早いアクセスとコスメティックなどが付く。予約特典としてF-14Aと『エースコンバットZERO』のPS5版が案内されていた。ZEROは僚機指示の感覚を思い出す意味でも、今作の予習になる。

プラットフォーム差は、レビュー時点ではXboxの点数が一番高いが件数が少ない。実質の比較対象はPS5の87〜88とPCの86だ。PCは設定の自由度、コンソールは操作の素直さ。雲と負荷は機種より設定次第で印象が変わる。

【ACE8】エースコンバット8のミッションは全部で何本?【ACE COMBAT 8 WINGS OF THEVE】
【ACE8】エースコンバット8のミッションは全部で何本?【ACE COMBAT 8 WINGS OF THEVE】

実際に飛ばして残った感覚

点数の話を離れると、今作で一番強いのは「自分が英雄の側にいる」感覚の作り方だ。偽の名前を借りて飛び、ジョーカー隊の声が耳に入り、エンデュランスの甲板に戻る。任務が終わるたびに機体が汚れ、次の出撃でまた雲に入る。その繰り返しが、レビューの「映画的」という言葉の実体になっている。

空戦自体は、過去作の延長であり、同時に延長で終わっていない。特殊兵装2種と僚機指示と残骸判定は、それぞれ単体では小さな変更だ。だが30ミッション近く重ねると、編成と指示の上手い下手で同じ戦場の見え方が変わる。『7』より「考える時間」が増えた、という印象の方が近い。

弱点も隠さない方がいい。カットシーンの長さは人を選ぶ。物語の熱量が強い分、冷めた目で見ると台詞が前に出すぎる場面がある。オンラインはキャンペーンほど完成度の話が固まっていない。発売直後は、まずキャンペーンで手を慣らす方がいい。

それでも、7年待った空として、この数字は妥当に見える。満点ではない。『04』を超えたわけでもない。ただ、「エースコンバットを今の技術で、今の尺で、今の物語の温度で出したらこうなる」という答えにはなっている。

まとめ

『エースコンバット8』の海外評価は、PS5中心に87〜88点、全体としてシリーズ上位に入る水準だ。褒められているのは空戦、雲、音楽、キャンペーンの厚み。指摘されているのはカットシーンの間と、物語の熱量の強さ。買うかどうかは点数より、「このシリーズの空が好きか」で決めた方がいい。

これから飛び立つなら、難易度は欲張らず、特殊兵装は空と地を分け、僚機には指示を出し、大型目標は武装から潰す。MRPは全機体収集より、今の戦場で困らない3機を先に揃える。音楽は消さない。それだけで、レビューが書いていた「息つく暇のない戦闘」の側に立てる。

10月2日の正式発売を待っている人も、すでにアーリーアクセスで飛び始めている人も、数字の話は一度置いて、まず雲の中に入った方がいい。87点の中身は、記事ではなく、ミサイルを1発かわした瞬間に分かる。

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