『S.O.L School Of Labyrinth』を遊んでみた感想と最新情報まとめ
旧校舎の地下から聞こえてくる声に導かれるように、気づけば「無明の講堂」に立っていた。記憶は曖昧で、自分が誰だったのかも定かではない。ただ、目の前には「先生」と呼ばれる存在がいて、日常へ戻るためにこの迷宮を降りていくしかない―そんな出だしで始まるのが、2026年8月にSteamで配信が始まったダンジョンクロールRPG『S.O.L School Of Labyrinth』だ。
発売からまだ日が浅いながらも、すでに多くのプレイヤーが地下へと足を踏み入れている。私もその一人として、実際に何時間も潜ってみた。ウィザードリィやエトリアのような古典的なダンジョン探索の骨格を持ちつつ、学校という親しみやすい舞台と、部活動をジョブに見立てたシステムが独特の味を出している。価格も800円と手頃で、気軽に試せる点も魅力だ。
この記事では、ゲームの全体像から、実際に遊んで感じた始め方のポイント、効率よく深く潜るための考え方、注意すべき点まで、プレイヤー目線でまとめていく。最新のアップデート情報も交えつつ、これから始める人にも、すでに潜っている人にも役立つ内容を目指した。
ゲームの基本概要
『S.O.L School Of Labyrinth』は、SUSHI Labが開発し、SUISHINがパブリッシュしたWindows向けのダンジョンクロールRPGだ。2026年8月12日頃からSteamで配信が始まり、日本語と英語に対応している。ジャンルはクラシックなターン制コマンドバトルを軸にした探索型RPGで、全50階層の地下迷宮を舞台にしている。
物語の舞台は、学生たちの間で都市伝説として語り継がれる「狭間の学校」。旧校舎の地下に広がる異界「無明の講堂」に迷い込んだ生徒たちが、日常への帰還を目指して深く潜っていく。プレイヤーは記憶を失った状態で目覚め、謎の「先生」の導きのもと、4人の生徒からなるパーティを組んで探索を繰り返す。
最大の特徴は、部活動をモチーフにしたジョブシステムだ。野球部、保健委員、オカルト研、弓道部、剣道部、科学部、生徒会、図書委員など、さまざまな部活が用意されており、それぞれが前衛タンク、回復、後衛アタッカー、支援といった役割を持つ。同じ部活でもビルドの方向性で役割が分岐するため、パーティ編成の自由度が高い。
戦闘はオーソドックスなターン制コマンドバトル。HPとMPに加えて、精神状態を示すSAN(理性)の管理が重要になる。敵の攻撃や迷宮内の異様な出来事によってSANが削られ、低下しすぎるとパーティに悪影響が出る。撤退の判断も戦略の一部だ。
探索では、毎回ランダムに姿を変える迷宮を歩き、宝箱や素材、装備、消耗品を集める。持ち帰った物資で拠点の施設を復旧・強化し、次の探索をより深く、長く続けられるようにしていくサイクルが基本となる。レベルアップだけでは深層に届かない設計で、拠点整備と装備の充実が進行の鍵を握る。
発売直後から開発チームは積極的にアップデートを重ねており、キャラクター作成時の部活反映不具合や施設配置の問題を素早く修正。UI改善や戦闘速度の調整、アチーブメント追加なども行われ、コミュニティの声に耳を傾けている姿勢が感じられる。5日でウィッシュリスト1万5000件、販売2300本を突破したという数字も、インディー作品としては好調と言える。

始め方と初心者が押さえておきたいポイント
実際に起動して最初に戸惑いやすいのが、キャラクター作成と部活選びだ。記憶を失った主人公として、自分の部活を選ぶことになる。これが最初の重要な分岐点になる。
私は最初、野球部を選んで前衛寄りの構成で始めた。高い攻撃力と反撃能力を持つタンクとして機能し、序盤の雑魚戦を安定させやすい。保健委員や園芸部のような回復役を早めに仲間に加えると、長く探索を続けやすくなる。オカルト研や科学部は後衛からの火力や消耗品強化が得意で、中盤以降の敵に対して有効だ。
パーティは最大4人。拠点にいる他の生徒たちと交流し、依頼をこなすことで仲間を増やしたり、拠点を強化したりできる。序盤は無理に深層を目指さず、浅い階層で素材と装備を集め、施設を復旧させることを優先した方がいい。施設が整うと、回復や装備強化、探索補助の恩恵が大きくなる。
操作はキーボードやゲームパッドに対応しているが、発売初期はUIや操作感に改善の余地があった。v1.1.0以降でバトル速度の2倍・3倍(AUTO時)、バフ・デバフのアイコン表示、装備売却の緩和などが入り、かなり遊びやすくなった。特にAUTO戦闘を多用する人は、速度設定を活用すると時間短縮になる。
SAN管理は最初のうちに意識しておきたい。HPが満タンでもSANが削られていると、突然のイベントや強い敵に対応しにくくなる。消耗品の使用タイミングや、危険を感じたら早めに撤退する判断が重要だ。撤退しても持ち帰った物資は残るので、無理をして全滅するより、確実に資源を持ち帰る方が長期的に得になる。
迷宮は探索するたびに構造が変わるランダム生成だ。ミニマップで探索率が表示されるので、効率よく回るために活用しよう。宝箱やイベントポイントを見落とさないよう、ある程度丁寧に歩くことをおすすめする。
効率的な進行のコツと実践的なアドバイス
深く潜るための鍵は、拠点の整備とパーティのバランスだ。
まず拠点。探索で得た素材を使って施設を復旧させる。回復施設、装備強化、探索補助など、優先順位をつけて進めると効率がいい。序盤は回復と消耗品関連を優先し、中盤以降で火力や特殊効果を強化していくイメージだ。拠点のNPC依頼をこなすと、追加の支援や施設強化につながることもあるので、こまめに確認しておこう。
パーティ編成では、前衛・回復・火力のバランスを意識する。野球部や不良、剣道部のような前衛で盾を張り、保健委員や園芸部、風紀委員で回復を担い、オカルト研や弓道部、科学部で後衛から攻撃する。生徒会はオールラウンダーとして柔軟に使える。同じ部活でもビルド次第で役割が変わるので、装備やスキルの振り方で微調整できる点が面白い。
戦闘では、スキルの使いどころと消耗品の管理が勝負を分ける。高威力スキルはMPやSANを消費しやすいので、雑魚戦では温存し、ボスや強敵に合わせて使う。SANを削る攻撃やイベントに備えて、回復アイテムや精神安定系の消耗品を常にストックしておくと安心だ。AUTO戦闘は便利だが、重要な局面では手動で細かく操作した方が損失を減らせる。
装備は接辞(アフィックス)付きのものが出ることがある。効果をよく見て、パーティの弱点を補うものを優先的に装備させよう。売れない装備もアップデートで売却可能になったので、不要なものは積極的に処分してインベントリを整理する。
探索のリズムとしては、「浅く広く集めて拠点を強化 → 少し深く挑戦 → 危険を感じたら撤退 → また拠点強化」の繰り返しが基本になる。50階層すべてを一気に攻略しようとせず、段階的に到達可能な階層を伸ばしていく方が精神的にも楽だ。最下層到達者がまだ少ないという設定も、ゲームの難易度の高さを物語っている。
最新アップデートではアチーブメントも追加された。最初の降下から、深淵を超える隠されたものまで、達成感を味わいながら進められる。セーブデータの保護やクラウドセーブ対応も強化されており、安心して長く遊べる環境が整いつつある。

注意しておきたい点と、遊んで感じた魅力・課題
魅力として挙げられるのは、雰囲気の良さだ。学校という日常的な舞台が、地下に潜るにつれて異界へと変わっていく不気味さと、部活動という親しみやすい要素が同居している。音楽や世界観の作り込みも、レビューで好評を得ている部分が多い。クラシックなダンジョンクロールの手触りを残しつつ、現代的なUI改善や開発サポートの速さが好印象だ。
一方で、注意点もある。発売初期は操作やUIに癖があり、特にゲームパッド使用時に少し戸惑う場面があった。アップデートでかなり改善されたが、まだ完璧とは言えない部分もある。AI支援を開発に活用した旨が公式に開示されているが、ゲームプレイ中に動的に生成されるわけではなく、テキストや一部アセットの補助として使われたとのこと。気になる人は事前に確認しておくといい。
難易度は高めに感じる。SAN管理を疎かにすると、突然の展開でパーティが崩れることがある。無理をせず、撤退を選択肢として常に持っておく姿勢が大切だ。また、ランダム生成の迷宮は毎回新鮮だが、同じようなフロアが続くと単調に感じる瞬間もある。拠点整備の進捗を楽しみながら進めると、モチベーションを保ちやすい。
価格が800円と安いので、クラシックなダンジョン探索が好きな人なら試す価値は十分にある。エトリアやペルソナQ、ウィザードリィの系譜を好む人には特に刺さりやすい印象だ。
まとめ
『S.O.L School Of Labyrinth』は、学校の地下に広がる異界を舞台に、部活動を武器にして日常への帰還を目指すダンジョンクロールRPGだ。4人パーティの編成、SANを含めたリソース管理、拠点強化による段階的な成長という、古典的でありながらしっかりとした骨格を持っている。
実際に遊んでみて感じたのは、「焦らず、確実に資源を持ち帰る」ことの大切さだ。無理をして深層を目指すより、拠点を整え、パーティのバランスを調整し、準備を整えてから挑む方が、結果的に遠くまで届く。発売から間もないながらも、開発チームが迅速に改善を続けている点も、長く付き合えるタイトルになりそうな期待を持たせる。
これから始める人は、まず部活選びと拠点の初期整備に時間をかけてほしい。すでに潜っている人は、最新アップデートの内容を活かして、より快適に探索を続けてみてほしい。無明の講堂の最深部に、何が待っているのか。私自身も、まだその答えを知らない。日常へ戻るための道を、これからも少しずつ降りていこうと思う。
