PS5で始めるトルネコの大冒険 まずは10階まで生きて帰る【トルネコの大冒険リマスター】
1993年にスーパーファミコンで出た『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』が、ドラゴンクエスト40周年にあわせて現行機へ戻ってきた。正式名称は『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン ちょっとステキなリマスター』。PlayStation 5では2026年9月10日からダウンロード販売が始まり、価格は3,520円(税込)だ。
ソファに座ってコントローラーを握ると、最初に流れる絵本風のオープニングが印象に残る。世界一の武器商人を目指す男が、まぼろしのお宝を求めて迷宮へ入る話。ゲームそのものは当時の手触りをかなり残している。入るたびに地形が変わり、力尽きれば持ち物を失い、レベル1からやり直し。その厳しさと、店が少しずつ大きくなっていく商人としての物語が、今でもこの作品の核だ。
この記事では、PS5版を手に取った人が最初に戸惑いやすい部分から、ちょっと不思議のダンジョン、本編の不思議のダンジョン、クリア後のもっと不思議のダンジョンまで、実際に何度も死にながら覚えた進め方をまとめる。派手な新システムは少ない。だからこそ、ルールを体で覚えるほど面白くなる。
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このゲームが何をしているのか
不思議のダンジョンシリーズの第1作であり、日本でローグライクが広く知られるきっかけになった作品でもある。主人公はドラクエIVにも登場する武器商人トルネコ。妻のネネ、息子のポポロとともに暮らし、ダンジョンから持ち帰った品で店を大きくしていく。

ルールは短い。
- ダンジョンは入るたびに形が変わる
- トルネコが1回動くと、敵も1回動く(完全なターン制)
- 持てるアイテム数には上限がある
- 満腹度が減り、ゼロになるとHPが削られる
- 倒れるとダンジョン内の所持品は失われ、所持金は半分になる
- 町に残した倉庫の中身と、店の拡張状況は残る
目的は「最深部のお宝を拾って、生きて町へ戻ること」だ。階段を踏んで下へ進むだけでは足りない。箱を拾ったあと、来た道を戻るか、脱出用の巻物を使う必要がある。行きはアイテムが落ちているが、帰り道はがらんとしている。だから「取りに行く」だけでなく「持ち帰れる状態で戻る」までが1回の冒険になる。
ダンジョンは3つある。
- ちょっと不思議のダンジョン(10階/王様の宝石箱)
- 不思議のダンジョン(27階/しあわせの箱。さらに潜れば99階まである)
- もっと不思議のダンジョン(クリア後。30階の奇妙な箱、または99階)
最初に入れるのは「ちょっと不思議」だけ。ここをクリアすると本編が開く。いきなり27階を目指す必要はない。店と倉庫を育ててから本腰を入れるほうが、結果として早い。
リマスターで何が変わったか
中身の骨格はSFC版と同じだ。追加ダンジョンや新クラスのような大改変はない。「ちょっとステキ」というサブタイトルどおり、当時のゲームを今の画面と操作で遊べるようにした作品だと捉えた方がいい。
実際に触れて助かるのは次の点だ。
ゲームバランス調整 冒険の書の設定から、モンスターの数、モンスターハウスの有無、落ちているゴールドやアイテムの量、経験値、パンの出現率、ワナの数を変えられる。初めてなら敵の数を少し減らす、経験値を少し上げる、くらいから試すとよい。ただし初期設定から外すと、一部の記録や実績の扱いに影響する。まずは初期のまま一度触って、どこで詰まるかを見た方が自分に合う調整が分かる。
足元のアイテムを拾わずに使える 持ち物がいっぱいのとき、床の薬草や巻物をその場で使える。昔は一度拾わないと使えず、捨てる判断で手が止まっていた。この一手が、ピンチの処理をかなり楽にする。
図鑑 モンスター図鑑とアイテム図鑑が追加された。未識別の品を見極めながら埋めていく作業が、やり込みの軸になる。
オートセーブ 途中で電源を切っても戻りやすい。ただしタイミングによっては巻き戻ることがあるので、大事な場面の前はメニューから中断セーブを挟む癖をつけた方が安心だ。セーブ枠も増えている。

見た目と演出 キャラクターはリマスター向けに整えられ、タイトルや背景、フォント、新規オープニングが追加されている。操作そのものは昔のテンポに近い。PS5では大画面でマップとメッセージが読みやすく、長時間座っていても疲れにくい。パッケージ版はなく、PSストアからのダウンロードのみ。容量は大きくないので、気軽に入れておける。
Steam版だけにある視聴者参加型のインタラクティブ配信は、PS5版にはない。据え置きでひとりで潜る用途なら、不足には感じない。
最初に覚える操作と画面の見方
PS5版では、移動・決定・攻撃・メニュー・斜め移動補助・足踏み・マップ切り替えがパッドに割り当てられている。最初に設定を開き、斜め移動の補助を自分の好みに合わせた方がいい。このゲームは通路の角と部屋の入口が勝負所になる。斜めに1マス動けるかどうかで、敵に囲まれる回数が変わる。
画面で常に見るのは次の4つだ。
- HP
- レベル
- 満腹度
- 持ち物の空き
満腹度は行動するたびに減る。ゼロになるとHPが削られ始める。パンを食べる、草を食べる、皮の盾で減少を抑える、ハラヘラズの指輪で減らなくする、が基本の対策になる。足踏み(その場でターンを進める)はHP回復手段だが、満腹度も同時に減る。安全な部屋で回復するときは、敵がいないことを確認してから足踏みする。
もうひとつ大事なのが「同じ階に長く居すぎると落とされる」ことだ。予兆が2回出たあと、強制的に下の階へ落とされる。レベル上げで粘るのは有効だが、地震の予兆が来たら撤退か階段を探す判断に切り替える。
町と店を先に理解する
ダンジョンばかり見ていると、この作品の半分を見落とす。トルネコは商人で、持ち帰った品は換金され、その資金で店が大きくなる。ベッド脇の帳簿(メモ)を調べると、次の拡張に必要な金額が分かる。
拡張の流れはおおむねこうなる。
- ちょっと不思議をクリアすると店が建つ
- 500G、1000G、3000G、5000Gと貯めていく
- 5000G付近で倉庫が完成する(保管10個、持ち出し1個)
- その後も1万、2万、5万と拡張し、保管数と持ち出し数が増える
- しあわせの箱を持ち帰ると店が一気に発展する
- 奇妙な箱でさらに先へ進む
倉庫ができる前に持ち帰った品は、基本的に換金される。だから序盤の目的は「深い階を踏むこと」より「生きて金を持ち帰ること」になる。倉庫が開いてからが本編だと思った方がいい。
注意点がひとつある。不思議のダンジョンでしあわせの箱を早く持ち帰りすぎると、店の中間イベントを飛ばして一気に発展する。物語と町の変化を見たいなら、箱を拾わずにお金で段階を踏む選択もある。攻略だけを急ぐなら箱を持ち帰ってしまって構わないが、倉庫がまだない状態でクリアすると、その冒険で拾った品の扱いが惜しくなることがある。可能なら倉庫完成後に箱を狙いたい。
初心者が最初にやるべきこと
起動したら、いきなり本編に潜らない。ちょっと不思議のダンジョンで「死に方」と「持ち物の感覚」を覚える。
最初の目標は単純だ。
- 5階までに武器と盾を装備する
- 今いる階と同じくらいのレベルを保つ
- 未識別の品を、余裕のある階で識別する
- 10階の王様の宝石箱を拾って脱出する
5階からミイラおとこが出る。装備なしだとダメージが痛く、長期戦になる。落ちている剣と盾は、拾ったらすぐに装備画面を開く。名前が見えていても呪われていることがある。装備して違和感があれば外すか、後述の巻物で処理する。

レベルは「階層と同じか、ひとつ上」を目安にする。低すぎると部屋に入った瞬間に詰む。高すぎる必要はない。経験値は序盤、スライムやドラキーを丁寧に倒すだけで足りる。無理に強敵へ突っ込まない。
まどうしは序盤の天敵だ。ラリホーで眠らされると、その間に周囲の敵に殴られる。レベルが低いうちは、まどうしを見たら通路へ引き、矢や杖で先に処理する。正面から張り合う必要はない。
複数の敵が部屋にいるときは、通路へ引き込む。部屋の中央で戦うと四方から囲まれる。通路なら対面の一体ずつ処理できる。これは全ダンジョン共通の基本で、終盤まで使う。
遠距離手段は矢と杖。矢は数に限りがあるが、近づきたくない敵を削るのに向く。杖は回数制で、ワープさせたり鈍足にしたりと効果ごとに使い道が違う。未識別の杖を敵に振って効果を見る、という識別法は序盤から活躍する。ただし自分のHPを削る杖もあるので、必ず距離を取って試す。
回復は薬草と弟切草、そして足踏み。薬草はHPを25戻し、混乱や目くらまし、まどわしを解く。満タンで飲むと最大HPが1上がる。弟切草は回復量100、満タンなら最大HPが2上がる。最大HPを伸ばす意味でも、余裕があるときに満タン状態で飲む価値がある。
イオの巻物は部屋全体にダメージを与える。モンスターハウス(部屋に大量の敵とアイテムが詰め込まれた特殊部屋)に足を踏み入れたときの保険として、1枚は残しておく。足元使用ができる今作では、持ち物がいっぱいでも床のイオをその場で読める。囲まれた瞬間にそれを思い出す。
ルーラ草は自分を同フロアのどこかへ飛ばす。バシルーラの杖は敵を飛ばす。通路で挟まれたときの逃げ道になる。ランダムワープなので、より悪い場所へ落ちることもある。HPに余裕があるときだけ使う。
アイテムの優先度を体で覚える
持てる数は少ない。拾うたびに「これを残して何を捨てるか」を決めるゲームだ。目安は次のとおり。
必ず残したいもの
- 装備中の武器と盾
- 矢
- 大きなパン
- 弟切草
- まどわし草
- ハラヘラズの指輪、ワナ抜けの指輪が分かっているならそれ
あると安定するもの
- 皮の盾(満腹度の減少を抑える)
- うろこの盾(おばけキノコの毒を無効化)
- ボミオスの杖
- 聖域の巻物、かなしばりの巻物
- リレミトの巻物(脱出)
- 毒けし草
早めに使って枠を空けたいもの
- バイキルトの巻物(装備中の武器を強化し、呪いも解く)
- スカラの巻物(装備中の盾を強化し、呪いも解く)
- メッキの巻物
- ちからの種、幸せの種
バイキルトとスカラは「拾って持ち歩く」より「今着ている装備にすぐ使う」方が枠が空く。強化した武器と盾は倉庫に入れれば次の冒険でも使える。不思議のダンジョンに入るようになったら、同じ武器・同じ盾を育て続ける意識を持つ。

皮の盾は地味に強い。満腹度が減りにくいので、階に残って経験値を稼げる。ハラヘラズの指輪が出るまでのつなぎとして、見つけたら倉庫行き候補にする。
未識別を怖がらない
草、巻物、杖、指輪は名前が分からない状態で落ちることが多い。ここで手が止まる人が多いが、識別はパターン化できる。
いちばん安全なのはインパスの巻物だ。ノーリスクで名前が判明する。指輪は呪いや能力低下のリスクが大きいので、インパスがあるなら指輪から使う。
巻物と草は、階段の上で自分に使って確かめる。失敗してもすぐ降りられる位置なら被害が小さい。くちなしの巻物やワナの巻物、毒草やメダパニ草のような嫌な品もある。階段の上という習慣は、序盤からつけておく。
杖は敵に振って効果を見る。変化した、鈍足になった、消えて攻撃が当たらない、消えたが次のターン当たった、分裂した、倍速になった、自分のHPが半分になった、など反応ははっきりしている。バシルーラとレムオル、もろ刃と大損は見分けを間違えやすい。距離を取り、弱い敵で試し、分かったら名前を自分で付け直す。リマスターには候補メモの機能もあるので、過去に見た品をメモしながら進めると楽だ。
指輪は装備してみてステータスを見る方法もある。ちからが上下する、満腹度が減らない、ワナを踏んでも何も起きない、人形の特殊攻撃を受けない、シャドーが見える、などだ。ただし呪われると外せなくなる。シャナクの巻物(呪い解除)を持っているとき以外は、無理に装備しない。
装備品の呪いは、バイキルトやスカラでも解けることがある。強化と解除を兼ねられるので、呪われた武器を無理に捨てず、巻物が来るまで倉庫や持ち物の端に置いておく判断もできる。
ちょっと不思議のダンジョンの進め方
最初の10階はチュートリアル兼適性検査だ。アイテムは少なめ。鉄の斧やうろこの盾が出たら優先して装備する。イオの巻物やいかづちの杖は、強敵とモンスターハウス用に残す。
まどうしはレベルが上がるか矢が揃うまで無理に相手をしない。大きなパンが2個あるなら、安全な階で少し粘ってレベルを盛ってもいい。ただし9階と10階は長居しない。箱を拾ったら脱出を優先する。
ここでの失敗は安くつく。所持金はまだ少なく、倉庫もない。死んでも「通路に引く」「満腹度を見る」「未識別を階段の上で試す」が身につけば元は取れる。何回か死んでから10階の箱を持ち帰れれば十分だ。
クリアすると店が建ち、不思議のダンジョンへ行けるようになる。
不思議のダンジョンを効率よく進める
本編は27階のしあわせの箱が目標だが、最初から27を目指すとほとんど帰れない。段階を分ける。
第一目標は10階の鉄の金庫 金庫を持っていると、倒れても所持金をそのまま持ち帰れる。まずはここまで行って、金を町へ戻す。店の拡張資金になる。
第二目標は倉庫完成 5000G前後で倉庫が開く。持ち帰った装備を保管し、次の冒険で1個持ち込める。ここから攻略の質が変わる。育てた剣や盾、ハラヘラズの指輪、リレミトの巻物を次に繋げる。
第三目標は20階付近のリレミト 20階にはリレミトの巻物が落ちている(他の階でもランダムに出る)。危なくなったら読んで町へ戻る。帰り道の空虚さを考えなくて済む。リレミトを確保したら、金庫に固執しなくてもいい。
第四目標で装備を育てる ドラゴンキラーをバイキルトで伸ばす。ドラゴンシールドをスカラで伸ばす。ハラヘラズの指輪があれば、皮の盾以上に階へ残って経験値を稼げる。レベルが階数を安定して上回るようになったら、27階を狙う。
27階で箱を拾ったら、来た道を戻るかリレミトで帰る。帰り道にアイテムは期待しない。回復と逃げ手段だけ残して引き揚げる。
お金を増やすなら、わらいぶくろからゴールド袋を集める、きれいな指輪や金の剣のような換金効率のいい品を持ち帰る、危なくなったら欲張らずリレミト、が安定する。全滅しても金の半分は残るので、倉庫前でもこつこつ貯まる。
レベル上げの手段はいくつかある。
- スモールグールを素手や弱い攻撃で削り、分裂させて経験値にする(囲まれない位置で)
- はぐれメタルを探す。経験値が高く、幸せの種を落とす。分裂の杖で増やすと一気に伸びるが、出現は安定しない
- 皮の盾やハラヘラズで満腹度を抑え、地震の予兆まで同じ階に残る
- 中盤以降はドラゴンの経験値が大きい。キラー武器が育っていると戦いやすい
レベル17を超えると必要経験値が跳ねる。そこからは「階と同じレベル」を死守しつつ、装備補正で殴り勝つ比重が増える。無理な粘りより、倉庫の装備を1段階強くして再挑戦した方が早いことも多い。

モンスターハウスと状態異常
モンスターハウスは部屋に入った瞬間、敵とアイテムが大量に並ぶ。逃げ道を塞がれやすい。入る前に部屋の雰囲気や床のアイテム密度で気づくこともあるが、完全には読めない。
対応は決めておく。
- イオの巻物を読む
- 聖域の巻物で一時的に安全なマスを作る
- かなしばりで動きを止める
- 通路側にすぐ下がる
- どうにもならなければルーラで逃げる
アイテム欲に負けて部屋の奥まで拾いに行くと死ぬ。必要なものだけ拾って出る。リマスターでは足元使用ができるので、床の巻物を拾わずに読める点が大きい。
状態異常は混乱、目くらまし、まどわし、眠り、毒、呪いが特に痛い。薬草や弟切草で解けるもの、専用の草や巻物が必要なものがある。おばけキノコの毒はうろこの盾で無効化できる。どろ人形やミステリードールの特殊攻撃は人形よけの指輪が効く。シャドーは見えないまま殴ってくるので、指輪か対処手段を持っていない階では深入りしない。
爆弾岩は自爆する。隣で爆発すると一気にHPが飛ぶ。遠距離で処理するか、通路の向こうから矢を撃つ。
もっと不思議のダンジョンに入る前に
本編クリア後に開く最難関だ。倉庫からの持ち込みができない。大きなパンもハラヘラズの指輪も出ない。草や巻物も未識別で落ちる。つまり「育てた装備を持って行く」ことができず、その場の拾い物と判断だけで30階、あるいは99階を目指す。
ここで効くのは皮の盾だ。満腹度の減少を抑えないと、パンが乏しい構成では途中でガス欠する。ドラゴンキラーがまた取れれば強化して使う。人形よけ、ワナ抜け、とうぞくの指輪が分かれば生存率が上がる。木の矢を増やしながら遠距離を確保する。
30階の奇妙な箱を持ち帰ればひとまず区切りがつく。99階は運と経験の領域になる。最初から99を目標にせず、30で一度帰り、図鑑と感覚を埋めてから再挑戦した方が精神的に楽だ。
PS5で長く遊ぶときの実務的な話
ダウンロード専売なので、ディスクを探す必要はない。PSストアで導入してすぐ潜れる。CERO Aで、家族が同じ部屋にいても気になりにくい。ひとり用で、オンライン要素は必須ではない。
おすすめの遊び方は、1回の冒険を短く区切ることだ。鉄の金庫まで行って帰る。リレミトを拾ったら帰る。装備が一本育ったら倉庫に入れて切る。オートセーブがあるとはいえ、欲張った回ほど死に方が雑になる。商人のゲームなので、「今日は仕入れだけ」と決めて電源を切る方が、結果として店が育つ。
ゲームバランス調整は、詰まったときだけ触るのがいい。敵を減らすと探索の緊張が落ち、経験値を上げすぎると成長の実感が薄れる。どうしても10階で毎回死ぬなら敵の数を少し下げる。慣れたら初期に戻す。記録を気にするなら、調整前のセーブを残しておく。
図鑑埋めはクリア後の楽しみになる。すべての敵を見る必要は最初からない。遭遇した敵と使った品が残っていく感覚が、次の冒険の判断材料になる。
SFC版を知っている人は、テンポの違いに気づくかもしれない。レベルアップ時の間や斜め移動の反応が、実機の軽さとは違うという声もある。PS5の大画面でマップを見やすいことと引き換えだと思えばいい。操作に慣れれば、昔と同じ「通路に引いて一体ずつ」の感覚は戻る。
死んだあとに残るものと、残らないもの
倒れたとき失うのは、そのダンジョンで持っていた品と、所持金の半分(金庫があれば金は守れる)だ。町の店、倉庫、拡張段階、図鑑は残る。だから「何を倉庫に置くか」が長期の攻略そのものになる。
倉庫に優先して入れるもの。
- 強化済みの武器と盾
- ハラヘラズ、ワナ抜け、人形よけなど効果が確定した指輪
- リレミト
- 皮の盾
- インパスやシャナクなど識別・解除の要
一時的な回復薬や未識別の杖を倉庫で寝かせすぎると枠が埋まる。倉庫は「次の冒険の起点」であり、博物館ではない。
死に方にも癖がつく。囲まれ死、眠り死、満腹死、モンスターハウス死、呪い装備のまま強敵に正面から当たる死。同じ死を2回したら、持ち物の優先度を一つ変える。矢を1セット残す、イオを温存する、まどうしを無視して階段を探す。小さな変更で生存率が変わる。
まとめ
PS5版のトルネコは、新しいシステムで古さを消した作品ではない。30年前の「持っているものでその場を凌ぎ、町に戻って店を大きくする」感覚を、今の画面でやり直す作品だ。バランス調整や足元使用、図鑑、オートセーブは、そのやり直しを今の生活に合わせるための補助に近い。
最初にやることは多くない。武器と盾を5階までに着ける。レベルを階から大きく落とさない。未識別は階段の上かインパスで処理する。通路に引いて一体ずつ倒す。10階の箱を持ち帰って店を開く。金庫と倉庫とリレミトを順番に揃える。同じ剣と盾を巻物で育てる。箱は持ち帰れる状態になってから拾う。
27階のしあわせの箱は、その積み重ねの先にある。もっと不思議は、持ち込みなしでも判断できる体になってからでいい。何度死んでも店は残る。残った店を見るたびに、次の潜り方が少しずつ変わる。それがこのゲームの「1000回遊べる」の中身だ。
コントローラーを置いたあとに帳簿を開く。次に必要な金額を見て、もう一度ダンジョンの入口に立つ。商人の冒険は、そこからまた始まる。
