(レビュー)『キャッスルヴァニア ベルモンドカース』をクリアして感じた本音の評価
『悪魔城ドラキュラ』シリーズの新作が約12年ぶりに届いたとき、正直「今度こそちゃんと“悪魔城”になっているか」を一番気にしていた。2026年10月15日に発売された『Castlevania: Belmont’s Curse(キャッスルヴァニア ベルモンドカース)』は、Evil Empireが開発を手がけ、Motion Twinがアドバイザーとして関わった探索型2Dアクションだ。舞台は1499年のパリ。トレバー・ベルモンドの娘ローズ・ベルモンドが、聖なる鞭ヴァンパイアキラーを手に魔物の巣くう街と悪魔城を進む。
実際にクリアまで遊んでみると、鞭の感触と探索の手応えは確かにシリーズの系譜を継いでいる。一方で、戦闘のテンポやアルカナのシステムはかなり現代的で、従来の悪魔城をそのまま再現したものではない。クリア後の時間も含めて30時間近く触った印象を、できるだけ具体的にまとめてみる。
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基本概要:何がどう変わったのか
物語は『悪魔城伝説』の23年後。パリに突然魔物が溢れ、街の中心に悪魔城が姿を現す。ローズは母シファから受け継いだ呪いを右腕に抱えながら、父トレバーとともに街へ向かう。そこから先はローズが単独で探索を進める形になる。
ゲームの根幹はメトロイドヴァニア寄りの探索型アクションだ。マップはパリの市街地、地下の貯水池や下水道、聖イノサン墓地、カタコンベ、そして悪魔城本体へと広がっていく。序盤は比較的直線的に感じるが、ボスを倒して得られる能力や鍵が増えるにつれて、以前通った道に戻る意味が出てくる。
大きな特徴は「アルカナ」と呼ばれるタロットカードのシステムだ。ボスを倒すと、その力をカードとして吸収し、スペルとして使えるようになる。従来のサブウェポンとは違い、ボス撃破が直接的に新しい攻撃手段や移動手段につながる。さらに「救済の道(Works of Mercy)」という課題をこなすことで、そのスペルを強化できる。単なるアイテム収集ではなく、プレイの仕方自体が強化につながる仕組みになっている。

武器は7カテゴリあり、片手剣、ランス、鞭、セスタス(拳)などが用意されている。どれも基本的な攻撃感触は悪くなく、好みで選んでも問題ない。鞭は先端を当てたときのダメージが明確に変わるので、距離感を意識した戦い方が求められる。
グラフィックはアニメ調の色使いが強く、燃えるパリのシルエットや血のドレスを纏ったカーミラなど、印象に残るビジュアルが多い。BGMはクラシックな旋律を新しくアレンジしたものと新規曲が混在しているが、個人的にはもう少し主張が強くてもよかったと感じる場面もあった。
初心者向けスタートガイド:最初にやるべきこと
最初に触るなら、難易度はノーマルで十分だ。カスタムモードでダメージやチェックポイントを調整できるが、序盤からいじりすぎるとゲームの手応えが薄れる。まずは標準設定で進めて、壁を感じたら調整するくらいがちょうどいい。
序盤の目標は「街を調べて怪物を倒す」ことだ。最初のボス「The Fallen(フォールン)」を倒すと、アルカナとして聖なる十字架のスペルと、探索用のアルカナウィップが手に入る。このウィップは敵や特定のポイントに引っ掛けて移動できるので、ここから探索の幅が一気に広がる。
おすすめの進め方は以下の通り。
- 最初のエリアで回復アイテムと鏡(セーブポイント)の位置を把握する
- 武器は最初の片手剣のままでも問題ないが、早めに鞭を見つけて先端当てを練習する
- 敵を倒すと経験値が入り、レベルが上がるとHPやMPが増える。序盤は無理にボスに挑む前に周囲を少し回っておくと安定する
- ショートカットを見つけたら必ず開けておく。後半に戻る機会が多いので、移動の負担が減る
パリ市街からカタコンベへ向かう流れは比較的わかりやすいが、道中にトゲや飛行する敵が多い。HPを温存しながら進むより、鏡でセーブしてから挑むほうが効率がいい。
効率的な進行と探索のコツ
マップは広く、同じエリアを何度も行き来することになる。効率を上げるなら「ボスを倒したら一度周囲を見直す」習慣をつけるのが一番効く。
特に重要な能力は以下の通りだ。
- アルカナウィップ:敵を引き寄せたり、自分を引き寄せたりできる。戦闘中に位置を取る手段としても優秀
- ホーリーライト:ジャンヌ・ダルク戦の後に得られる。カオスシャドウと呼ばれる障害を透過できるので、以前通れなかった通路が開く
- ダブルジャンプやストンプ:後半の移動で必須になる場面が多い
探索で意識したいポイントは「黄色く塗られたエリアを優先する」こと。マップ上で探索完了の目安になるので、まだ白い部分がある場所に戻ると新しいアイテムやショートカットが見つかることが多い。マーカー機能もあるので、気になった場所には印をつけておくと後で探しやすい。

魔導器(レリック)は最大3つ装備できる。宝箱から手に入るものが多く、エリアや敵に合わせて付け替えるのが有効だ。序盤は回復やMP回復系を優先し、慣れてきたら攻撃強化や特定の状況で発動するものに切り替えると快適になる。
後半になると渡し守の船着き場を利用できるようになり、エリア間の移動が楽になる。ここを拠点に、以前のエリアに戻ってアイテムを回収する動きが効率的だ。
戦闘と育成のポイント
戦闘はシリーズの中でもかなりアクション寄りになっている。パリィが可能で、聖なる盾を使って攻撃と防御を同時にこなせる場面がある。敵の攻撃に合わせてパリィを決めると、そのまま追撃に繋ぎやすい。
武器ごとの特徴を簡単にまとめると以下のようになる。
- 片手剣:バランスが良く、ダッシュ後の攻撃が強い。序盤から中盤まで安定して使える
- 鞭:先端当てでダメージが伸びる。慣れれば遠距離からの牽制がしやすい
- ランス:リーチが長く、投げても使える。壁際や段差で有利
- セスタス:近距離でコンボが繋がりやすい。敵を打ち上げて空中攻撃に持っていく動きが気持ちいい
- 大剣や二刀流:火力は高いが隙も大きい。ボス戦で有効な場面が多い
アルカナは1つ装備して使うのが基本だ。ボスごとにスペルが変わり、例えばフォールンからは聖なる十字架、ジャンヌからは炎の柱、メデューサからは石化などがある。救済の道をこなすと強化できるので、よく使うスペルは優先的に育てると戦闘が楽になる。
ボス戦のコツは「パターンを覚える」ことだ。多くのボスは距離を取ったあとに特定の攻撃を出してくる。近づきすぎると近接攻撃が来て、離れすぎると遠距離攻撃が来る。安全な距離を保ちながら、隙を見てウィップやアルカナで削るのが基本になる。
難易度は全体的に高めだが、理不尽なものは少ない。死んでも経験値は残るので、何度か挑戦してパターンを掴むのが一番早い。カスタムモードでチェックポイントを増やしたり、ダメージを調整したりできるので、どうしても進まないときは一度設定を見直すのもアリだ。

重要なポイントとアドバイス
クリア後に感じた注意点をいくつか挙げておく。
- 真エンドを目指すなら事前に調べておく:通常のクリアのほかに、真のエンディングが存在する。特定の試練をこなしてから最終戦に臨む必要がある。ノーマルクリア後に再開できるので、最初は普通に進めても問題ない
- BGMの印象:雰囲気は悪くないが、シリーズファンからすると「もう少し主張が強くてもいい」と感じる人がいる。戦闘中のBGMが控えめに聞こえる場面もある
- ローズのキャラクター性:周囲のキャラクターと比べると、ローズ自身の個性がやや薄いという指摘がある。物語の中心ではあるものの、父親や過去のキャラクターの影が強い
- 探索の手戻り:能力を得るたびに以前のエリアに戻る機会が多い。ショートカットをしっかり開けておかないと移動が面倒になる
- 難易度の壁:序盤は比較的優しめだが、中盤以降のボスで急に硬くなることがある。レベルを少し上げてから挑むと楽になる
武器やアルカナの組み合わせは自由度が高いので、自分の好みに合わせて変えていくと面白い。特に鞭とアルカナウィップを組み合わせた空中移動は、慣れると戦闘中でも位置取りが自由になる。
まとめ
『キャッスルヴァニア ベルモンドカース』は、久々のシリーズ新作として「悪魔城らしい探索」と「現代的なアクション」のバランスを取った作品だ。鞭の感触やマップの広がりはシリーズファンにも受け入れやすく、アルカナのシステムで自分なりの戦い方を作れるのも魅力になっている。
一方で、探索の手戻りや難易度の壁、BGMの印象など、好みが分かれる部分もある。クリアまで約20時間前後、真エンドを含めるとさらに時間がかかるので、じっくり探索したい人向けだ。
実際に遊んでみて感じたのは、「シリーズの伝統を残しつつ、新しいベルモンドの物語として成立している」ということだった。鞭を振る手応えと、パリの街を進む緊張感は、久しぶりに「悪魔城を遊んでいる」と感じさせてくれた。シリーズを知らない人でも楽しめるが、過去作をプレイしたことがある人ほど、細かい部分で楽しめる要素が多いと思う。
もし鞭を振る感触と、少しずつマップが広がっていく探索が好きなら、一度触ってみる価値はある。クリア後もまだマップの隅々を埋めているくらい、手応えのある一作だった。
