『鬼武者 Way of the Sword攻略』序盤から使える剣戟の心得
20年ぶりに帰ってきた『鬼武者』を手に取って、最初に感じたのは「ただの斬りゲーではない」ということだった。刀が当たったときの重さ、受け流した瞬間に相手がよろける感触、篝火へ敵を流し込むときの気持ちよさ。体験版から本編に入っても、その手応えは変わらない。
この記事では、清水寺から京の街へ出ていくまでの流れを軸に、戦闘の型、序盤の進め方、力動と一閃の使い分け、拠点の使い方まで、実際に刀を振っていて効いたことをまとめた。シリーズを知らない人でも、まずここから入れば迷いにくい。
どんなゲームか
舞台は江戸時代初期の京都。ただし、瘴気に侵されて景色も人も歪んでいる。プレイヤーは剣の道を求めて京へ入った若い武芸者、宮本武蔵を操作する。道中で「鬼の籠手」を授かり、異界から這い上がってきた幻魔と斬り合うことになる。

シリーズ過去作との物語的なつながりはほぼない。予習は不要で、武蔵がなぜ戦うのか、籠手が何を求めているのかを、プレイしながら知っていく構成だ。声は細谷佳正、顔は三船敏郎をモデルにしていて、若くて荒々しいのにどこか抜けた表情が残っている。籠手の中にいる鬼の佳人の声が、戦闘の合間に短い言葉を投げてくるのも、地味に気持ちを支えてくれる。
戦闘は第三人称の剣戟アクション。片手攻撃は素早く、両手攻撃は重い。防御は全方位に出せるが、長押しし続けると自分の力動が削れていく。ここが今作の肝で、体力とは別に「力動」というゲージが敵にも自分にもある。力動が尽きると相手は一瞬無防備になり、そこへ「崩し一閃」を叩き込める。雑魚は力動を崩してから斬る、強敵は部位を選んで崩す、という二段構えになっている。
クリアまでの本筋は開発側の話ではおおよそ20時間。寄り道、獄窓封じ、鍛錬の間での再戦を入れるとそれ以上になる。フィールドは完全なオープンワールドではなく、京の名所をつないだワイドリニアだ。拠点の六道珍皇寺を起点に、清水寺、安井金比羅宮、建仁寺といった実在の場所を歩き、破魔鏡でセーブとファストトラベルをする。
最初に押さえる戦闘の型
操作に慣れるまでが一番大事で、ここを雑にすると中盤のボスで詰まる。まずは攻撃の使い分けから。
片手攻撃はスキが少なく、複数体をさばくときの基本になる。両手攻撃は一発が重い反面、振り終わりが長い。雑魚相手なら片手で切り崩し、隙が見えた相手に両手を混ぜるイメージでいい。刀と刀がぶつかると「相子剣戟」が起きることがある。片手で振っているときに両手ボタン、両手で振っているときに片手ボタンを出すと押し負けにくい。失敗しても途中で切り替えられるので、焦って連打しないほうが安定する。

防御は「ただ受ける」用途ではない。長押し防御は全方位を守れるが、自分の力動が減る。通常の斬りには「受け流し」を使う。攻撃が当たる直前に防御を出すと、力動を消費せずに相手の姿勢を崩せる。成功すると火花が強くなり、相手を壁やかがり火へ流し込める。篝火に突っ込めば燃焼が入るし、崖際なら落下も狙える。地形を使う受け流しは、序盤の雑魚処理を一気に楽にする。
「弾き」は本編では途中から解放される能力だ。体験版では最初から使えた人が多いが、製品版では強化枠で覚える。入力は、攻撃直前に左スティックを相手方向へ倒しつつ防御。近接を弾くと力動が大きく減り、飛び道具は相手へ跳ね返せる。ボスの力動を削るなら弾きのほうが効くことが多い。受け流しで流れを作り、弾きで止めを刺す、という順番が扱いやすい。
受け流しを重ねると「気焔状態」に入る。刀の威力が上がり、青魂も出やすくなる。雑魚戦で気焔を溜めてから強敵に入ると、序盤の立ち回りがかなり楽になる。
回避はただの逃げではない。体術寄りの攻撃を見切ると追撃に変わり、力動を大きく削れる。掴みには青白い予備動作が出る。防御や受け流しでは防げないので、回避で返す。逆に、ピンクのオーラが出る攻撃は回避不能に近い。ここは受け流しか弾きで受け止める。色を見て判断する癖をつけると、中盤以降の被弾が減る。
シリーズの顔である「一閃」は、敵の攻撃が当たる直前に攻撃ボタンを出すカウンターだ。成功すれば大ダメージに加え、魂も多く出る。ただしタイミングは厳しい。序盤は無理に狙わず、受け流しと弾きで力動を削るほうを優先したほうが死なない。一閃が決まった瞬間に近くの敵へつなげるのが「連鎖一閃」で、能力強化で連鎖数が増える。集団戦ではこちらを覚えてからのほうが気持ちいい。
力動が尽きた相手には「崩し一閃」が入る。強敵相手ではスローになり、部位を選べる。赤い印はダメージ優先、紫は魂の放出優先、というのが基本だ。体力が危ないときは赤、回復と鬼力を稼ぎたいときは紫、と状況で分ける。部位破壊できる敵もいるので、同じ場所ばかり狙わず、一度壊したあとに別の部位へ移すと効率がいい。
序盤の進め方
本編は体験版の清水寺から自然につながる。寺の坂、本堂、鬼舞台までの動線は実際の清水寺をかなり忠実に拾っている。床板の並びまで再現されている、という話を聞いたあとで歩くと、観光というより「歪んだ京」を歩いている感覚が強い。
序盤で覚えるべきことは三つある。
一つ目は魂の扱い。倒した幻魔から出る魂は色で役割が違う。黄魂は体力回復、青魂は鬼力(鬼ノ武具の燃料)、赤魂は能力強化と取引に使う。吸収中は無防備なので、敵が残っているときは欲張らない。複数まとめて吸ったほうが得だが、敵側も吸いに来る。黄魂を吸われて回復を奪われると、そのまま押し切られることがある。能力強化で「攻撃中の吸収」が解放されると、この駆け引きがかなり楽になる。優先して取りたい枠の一つだ。

二つ目は回復手段の管理。フィールドには鬼灯が落ちている。食べると体力が戻るが、所持上限がある。拾い放題ではないので、満タンのときに無理に拾わなくていい場所もある。黄魂と鬼灯を併用し、ボス前だけ温存するくらいがちょうどいい。
三つ目は破魔鏡。セーブ、ファストトラベル、装備強化、能力強化、装いの変更がここに集約される。アクセスすると周辺の幻魔が復活するので、「全部倒してから鏡を触る」か「鏡で戻ってから再戦する」かを意識する。序盤はセーブを細かく切ったほうがいい。一閃のタイミングを試している最中に落とされると、同じ坂を登り直すことになる。
清水寺の鬼舞台で待つのは佐々木巌流だ。体験版の時点で、多くの人がここで初めて「今作のボスは雑魚の延長ではない」と気づく。体力も力動も厚く、連続攻撃が速い。無理な一閃より、弾きと受け流しで力動を削り、崩し一閃で頭(ダメージ)か籠手(魂)を選ぶ戦いになる。体力が半分を切ると攻めが荒くなるので、鬼ノ武具のストックを残しておく。双刀の「二天」は黄魂を出させやすいので、回復が欲しいときに使いやすい。
巌流を越えると、拠点となる六道珍皇寺へたどり着く。ここから京の街が開き始める。迎え鐘を鳴らすと鍛錬の間へ入れる。操作の確認、過去ボスとの再戦、新しい技の試し打ちができる。序盤で一番やってよかったのは、ここに戻って受け流しと弾きだけを繰り返したことだった。本編の戦闘は「覚えた技を出す場所」ではなく、「相手の予備動作を読む場所」なので、鍛錬の間で目を慣らしておくと本編の死に回数が減る。
効率よく強くなるために
赤魂は能力強化に使う。強化はリセットでき、使った赤魂やアイテムが戻る。セーブを分けて試す必要がないのはありがたい。最初に振ると効くのは、次のあたりだ。
- 弾きの解放(まだなら最優先)
- 攻撃中の魂吸収
- 気焔関連
- 連鎖一閃の上限
- 見切り連斬
攻撃力の単純な底上げより、立ち回りの選択肢を増やす枠のほうが序盤は強い。弾きがない状態でボスに入ると、力動を削る手段が受け流しと通常攻撃に偏り、時間がかかる。
鬼ノ武具は青魂で溜まる鬼力を消費して出す必殺技だ。代表的なものは次の三つ。
- 二天:双刀の連撃。黄魂を出させやすく、回復と削りを兼ねる
- 地鳴:大鎚。力動を大きく削り、鎧や盾を壊しやすい。溜め撃ちで威力が上がる
- 風巻:両刃から竜巻。範囲攻撃で遠距離弾も打ち消せる。火に触れると炎を纏う
雑魚の群れには風巻、硬い相手や力動が厚い相手には地鳴、耐久戦には二天、という使い分けで足りる。武具自体も強化できるので、気に入った一つを先に伸ばすほうが、全部薄く上げるより戦いやすい。
物語が進むと鬼の力が覚醒する。眼は見えない通路や隠されたものを顕現させる。強化すると落ちているアイテムや破壊部位も見えやすくなる。腕は瘴気の壁を壊し、敵の防具や盾を「打壊」できる。強化後は樽や壷を投げられるようになる。脚は特定の壁を走れるようになり、高所へ出られる。強化すると吹き飛びの受け身も入る。探索で行き止まりに見えた場所の多くは、この三つのどれかが鍵になっている。ストーリーを急ぎすぎて覚醒を後回しにすると、同じ道を二度歩くことになる。
完全覚醒は終盤寄りの解放だ。一閃が決まりやすくなり、気焔が常時に近く、魂の自動吸収も乗る。強力だがゲージ管理と解除条件があるので、序盤の話としては「ある」と知っておけば十分だ。
御守は能力を変える装備で、刀装は見た目専用。早期購入や体験版特典の「首灯」「狛犬」などは、序盤の生存を助けてくれる。装備の付け替えはメニューの装備欄と破魔鏡で行う。開放は進行に応じて段階的なので、最初から全部使えるわけではない。
ボスや強敵との向き合い方
雑魚戦とボス戦で、やることは少し違う。雑魚は受け流しで壁や火へ流し、気焔を溜め、連鎖一閃で掃討する。ボスは力動の削り合いになる。
力動を減らす手段は、攻撃を当てる、受け流しで壁や別の敵にぶつける、弾き、見切り追撃、地鳴のような武具、と複数ある。一番安定するのは弾きだ。ただし弾きばかり狙うと、予備動作の読みを外したときに大きく被弾する。受け流しで間合いを整え、弾きで大きく削る。力動が落ちたら崩し一閃。これを一セットとして繰り返す。

部位選択は「今なにが足りないか」で決める。体力が削れていれば赤、黄魂や青魂が欲しければ紫。同じ部位を連打すると破壊が入ることがある。破壊後は別の色へ移したほうが、総合的な削りは速い。
回避不能(ピンク)は受け流しか弾き。掴み(青)は回避。この二色を見落とすと、どんなに攻撃がうまくても落とされる。巌流のように連撃が速い相手は、防御の長押しに逃げたくなるが、自分の力動が削れて崩される。長押し防御は「次の予備動作を見るための一瞬」に使う程度がいい。
環境も武器になる。篝火、段差、狭い通路、投げられる樽。受け流しで敵の勢いを制御できる今作は、フィールドそのものが技の一部になっている。広い場所で正面から打ち合うより、火の近くへ誘導したほうが早い相手は多い。
負けても鍛錬の間で同じ相手と再戦できる。本編でトドメを刺さずに落ちて、練習してから戻る、という使い方もできる。死にゲーではないが、ボスは「初見で勝つ」より「型を覚えて勝ち切る」寄りの設計だ。
探索と拠点の使い方
拠点の六道珍皇寺は、ただのセーブ部屋ではない。小野篁と話せるほか、鐘で鍛錬の間へ入り、破魔鏡で強化と移動を行う。洛東を歩いていると獄窓が開いている場所がある。幻魔が湧くポイントで、封じると強化アイテムが手に入ることがある。戦いたくなったら獄窓を探す、休みたいなら鏡で戻る、というリズムが自然にできる。
街の人からの依頼や、後から発生する寄り道もある。紫式部関連の依頼は進行後に出てくるので、序盤で全部拾おうとしなくていい。本筋を少し進めて能力が開いてから戻ると、同じ場所でも見えるものが増える。眼覚醒後にアイテムの位置が分かりやすくなるのは、その典型だ。
破魔鏡を触ると幻魔が復活する点は、経験値稼ぎにもなるし、邪魔にもなる。強化を終えた直後に鏡を使うと、帰り道でまた斬ることになる。探索を一区切りつけてから触るか、ファストトラベル前提で切るか、先に決めておくとストレスが少ない。
京都の再現は観光ガイドではなく、瘴気で歪んだ景色として機能している。清水の舞台、六道珍皇寺の井戸と鐘、安井金比羅宮の縁切り、建仁寺の空気。史実や伝承を知っているとセリフの温度が変わるが、知らなくても戦闘と探索は成立する。読み物を拾う余裕があるなら、黒魂で過去の記憶を見るのもおすすめだ。ただのアイテム回収より、京がどう壊れていったかを短く見せてくる。
覚えておくと得するポイント
操作タイプは設定で変えられる。防御と調べるの配置がタイプによって違うので、体験版と製品版で手が混乱したら、最初に確認したほうがいい。Switch 2版はJoy-Con 2のモーション操作にも対応しているが、剣戟の核はボタンタイミングなので、まずは通常操作で型を固めたほうが安定する。
能力強化はリセットできる。失敗を恐れず、弾きや吸収を先に試す。攻撃力を上げても、力動を削れないとボス戦が伸びる。
魂は「今すぐ吸う」より「いつ吸うか」が大事。黄魂は体力が減ってから、青魂は武具を使う直前、赤魂は戦闘後にまとめて、が基本になる。敵に吸われるくらいなら、自分から動いて先に取る。
鬼灯の所持上限を意識する。満タンで落ちているものを全部拾う必要はない。次のボス部屋の手前で補充するくらいが効率的だ。
一閃は格好いいが、序盤の勝率を一番上げるのは受け流しと弾きだ。一閃は「決まったときの報酬」として残しておくと、焦らなくて済む。連鎖一閃は集団戦の掃除役なので、強化したら鍛錬の間でタイミングだけ確認する。
完全に行き詰まったら、ストーリーを少し進めて覚醒を解放してから戻る。壁に見える場所の多くは、眼・腕・脚のどれかが鍵になっている。
体験版のセーブがあると、製品版で御守「首灯」が受け取れる。セーブの引き継ぎ自体はないが、特典は取っておいたほうが得だ。
まとめ
『鬼武者 Way of the Sword』は、斬る快感だけを売っている作品ではない。受け流して流し、弾いて力動を落とし、崩し一閃で部位を選ぶ。静と動の切り替えがはっきりしていて、うまく決まったときの刀の感触が強い。
序盤でやることは単純だ。片手と両手の使い分けを体に入れ、受け流しで地形を使い、弾きで力動を削る。魂の色を見て吸収のタイミングを選び、六道珍皇寺の鐘で型を確認する。巌流で一度詰まっても、鍛錬の間に戻ればいい。
京は広いようで、実際は拠点から放射状に開いていく。焦って本筋だけを追うより、獄窓を封じ、眼が開いてからもう一度同じ道を歩くほうが、結果的に早い。刀の道は、急いで切り捨てるより、相手の予備動作を一つずつ覚えるほうに近い。
まずは清水寺の坂を、受け流しだけで上ってみてほしい。火に敵が落ちた瞬間に、今作の剣戟がどういうゲームか分かるはずだ。
