Steam版『The Blood of Dawnwalker』を始めた人が最初に知るべきこと
9月に入ってすぐ、Steamで起動ボタンを押した。ロードが終わって最初に出てくるのは、黒死病と血の匂いがまとわりつく14世紀の谷だ。派手なファンタジーというより、湿った土と銀の臭いがする世界。それが『The Blood of Dawnwalker』だった。
元『ウィッチャー3』の開発者が立ち上げたRebel Wolvesのデビュー作で、発売元はバンダイナムコエンターテインメント。PC版はSteam・GOG・Microsoft Storeに並び、日本では字幕対応、音声は英語ほか数言語。CEROはZ。日本語版は流血や裸体の一部が海外版と違うので、先行映像と完全に同じ絵が出るとは限らない。
この記事では、ゲームの骨格、序盤の動き方、時間の使い方、戦闘とスキルの優先順位をまとめる。ネタバレは序盤の仕組みを理解するのに必要な範囲に抑える。
- (MOD)『The Blood of Dawnwalker』おすすめMod:発売初日に入れた
- Steam版『The Blood of Dawnwalker』を始めた人が最初に知るべきこと
- 『The Blood of Dawnwalker』サンゴラ谷の地図は、最初の夜に塔へ登った瞬間から変わる
- (ネタバレ&レビュー)昼は人、夜は牙『The Blood of Dawnwalker』をクリアして分かったこと
- 『The Blood of Dawnwalker』を遊んで分かったこと。点数の先にある30日の使い方
どんなゲームか
舞台はカルパティア山脈をモデルにした架空の谷、ヴェイル・サンゴラ。戦争と黒死病で人間側が弱った隙に、吸血鬼の一族ヴラキリが表に出て支配を始めた。指導者はブレンシス。村人からは定期的に血を取り、代わりに自分たちの血を与えて病を抑える。表面だけ見れば「支配者による医療」にも見えるが、中身は家畜化だ。
主人公コーエンはラスレアの村人。家族を救うために動くうち、ヴァンパイアへの変成が途中で止まり、昼は人間、夜は吸血鬼という「ドーンウォーカー」になる。日光で燃えない。夜になると爪と牙と壁走りが使える。この切り替えが、ただの演出ではなく、クエストの解き方そのものを変える。
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オープンワールドのアクションRPGで、三人称。戦闘は剣と hex(呪術)と吸血鬼能力。クラス固定ではなく、剣術・呪術・吸血の三系統を自分で伸ばす。メインは家族を30日以内に救い出すこと。ただし「全部やる」ゲームではない。何を捨てるかがプレイの核になる。
海外レビューはおおむね高評価で、Metacriticは80点台前半。Steamのユーザーレビューは発売直後でまだ件数が少なく、賛否が分かれている。重いUE5タイトルであること、時間制限の圧、戦闘の好みが評価を割っている印象だ。自分の環境とプレイスタイルに合うかは、スペックと「制限付きサンドボックスが好きか」で決まる。
Steam版で先に確認しておくこと
起動前に見ておきたいのはここだ。
- 日本語は字幕・UI対応。日本語音声はない。英語音声+日本語字幕が基本になる
- 価格は通常版が税込9,790円前後、Eclipse Editionが税込10,890円前後(ストア表示は変動する)
- Eclipseは本編に加え、デジタルのワールド・コンペンディウム、サウンドトラック、コミックが付く
- 予約特典だったサンゴラの旅人防具は、持っていれば序盤の見た目と防御の足しになる
- 実績は46個。隠しが約半数ある
- Denuvoは不使用
- 必要容量は60GB以上、SSD必須
- 最低目安はGTX 1060 / RX 580、メモリ16GB。推奨はRTX 4060 / RX 7600 XTクラス
- Steamクラウド、フルコントローラ対応、ファミリーシェアあり
- 日本語版は裸体や一部の残虐表現が変更されている
推奨環境でも、森や城下町でフレームが落ちることがある。発売直後はドライバとパッチを最新にしてから長時間プレイした方がいい。Steam Deckは公式に快適とは言い難い部類で、据え置きPCかデスクトップ寄りの環境を前提にした方がストレスは少ない。
難易度は Story / Fair / Challenging / Duelist に加え、個別スライダーがある。いつでも変えられる。初めてなら Fair か、方向入力が苦手なら Story 寄りで始め、戦闘だけ後から上げるのが無難だった。
序盤の流れと、最初にやるべきこと
プロローグはラスレアと銀山周辺で終わる。ここでは操作と世界のルールを叩き込まれる。血の儀式、家族の決断、銀、変成。ここを飛ばすと後の選択肢の意味が薄れるので、会話は飛ばさず見た方がいい。
プロローグが終わると、画面のどこかに「残り日数」が乗る。ここからが本番だ。

最初にやることは冒険ではなく、設定の確認だった。
戦闘はデフォルトが四方向の斬りと受け。『キングダムカム』系に近い。右スティック(またはマウス)で上下左右を指定する。慣れるまで重い。オプションに Omniattack / Omniblock がある。ボタン一つで方向を自動処理してくれるので、物語と探索を優先したいなら最初はこちらでいい。後から手動に戻せる。自分は昼の剣だけ手動、夜の爪は自動、と途中で混ぜた。
次にマップと祠(シュライン)を探す。祠はスキル習得、ファストトラベル、アイテム預かり、時間送りの拠点になる。スキルの一部は「習得そのものに時間セグメントを使う」。祠を見つけたら、とりあえず登録だけしておく。探索自体は時間を消費しないので、道草で祠とマニュアル(技能書)を拾うのは得だ。
移動手段は昼と夜で別物になる。夜は Shadowstep(短距離転移)と壁走りが使える。昼は徒歩と馬、呪術側の移動強化。序盤で夜の移動スキルを一つ取ると、地図の大きさが急に縮小する。最初の数夜は「戦う」より「高いところと抜け道を覚える」に使った方が、あとが楽だった。
血液飢餓は放置しない。夜に体力が極端に落ちると、近くの人間に牙が向く。クエストNPCを誤って噛む事故が起きうる。動物や敵で Voracious Bite を使っておけば、腐敗(Corruption)も同時に稼げる。吸血鬼スキルの一部は腐敗レベルが開放条件なので、序盤からこまめに吸った方がツリーが開く。
時間システムを理解しないと損をする
このゲームで一番大事なのはレベルでも装備でもなく、砂時計だ。
一日は昼8セグメント、夜8セグメント。30日で合計480。リアルタイムでは進まない。クエスト進行、一部の調査、ブレンシス側の拠点潰し、スキル習得などがセグメントを消費する。マップを歩いただけ、景色を見ただけでは減らない。
ここを誤解すると「制限が厳しすぎる」と感じる。実際は、全部のサブクエストを30日で消化する設計ではない。本筋と、ブレンシスの配下を削る行動と、自分のビルドに必要なスキルだけを拾う。残りは次周回用、と考えた方が気持ちが楽になる。

同じクエストでも、昼に話せば交渉、夜に潜れば潜入、と手順が変わる。昼の終わり際に会話クエストを始めると、途中で夜になって相手が帰宅する。砂時計の隣の数字を見て、今どの帯で始めるかを決める。夜専用のルートがある場所に昼から突撃しても、壁に手が届かない。
時間を送る機能は祠にある。ただし送るのは最後の手段に近い。スキル習得にもセグメントを使うため、むやみに朝まで待つと「タダで取れたはずの強化」を捨てることになる。どうしても昼のNPCが必要なら送る。それ以外は、今の帯でできることを先に片づける。
悪名(Infamy)も時間と同じくらい効いてくる。目立ちすぎるとブレンシスが勅令を出し、谷の警備や罰がきつくなる。全部の野営地を焼いて回ると物語は熱いが、中盤以降の移動コストが上がる。序盤は「必要なら潰す」程度に抑えた。
戦闘の実情
昼は剣と呪術。体力の自然回復は期待しにくいので、消耗品と距離が命。hexの Burning Blood 系は、先に状態異常を入れてから斬り込むと楽になる。スタミナが尽きると受けが雑になるので、序盤のパッシブは体力よりスタミナを厚くした方が安定した。
夜は爪、噛みつき、短距離転移、壁。見た目は強いが、序盤の爪は剣より火力が落ちることがある。夜でも剣は使える。Fキー(パッドならアクションボタン)で持ち替えられる。最初の数夜は「移動は吸血鬼、殴るのは剣」でもいい。爪ツリーを伸ばすと逆転する。

方向指定の受けは、成功するとスタミナを食わない。適当にボタンを連打するより、相手の予備動作を見て一方向に合わせる方が消耗が少ない。ボスやボヤール(配下の地方領主)戦では、Omniだけだと後々苦しくなる。中盤までに手動受けの感覚だけは作っておいた方がいい。
活性化チャージ(マナバーではない)が hex と一部必殺を制限する。連続で魔法を撃てない。昼は一発の hex を戦闘の起点にして、あとは剣で削るイメージが合っていた。
装備は昼夜でセットを分けられる。昼は剣術・呪術補正、夜は吸血・爪補正。同じ防具を使い回すと、片方の時間が弱くなる。見た目より「今どちらの帯で戦っているか」を優先した。
スキルの伸ばし方
ツリーは三つ。
- 剣術(Swordmastery):昼夜ともに使える土台
- 呪術(Witchcraft):主に昼
- 吸血(Vampirism):主に夜
全部均等に振ると、どっちの時間帯も中途半端になる。自分の場合、剣術を常時の保険にして、もう一本は「自分が長く過ごす帯」に寄せた。昼の街歩きと会話が多い周回なら呪術。夜の侵入と狩りが好きなら吸血。

序盤に優先してよかったものは次の系統だ。
- スタミナ上限と消費軽減(長い戦闘が持つ)
- 夜の移動(Shapeshift や Shadowstep 関連)
- Voracious Bite の強化(回復と腐敗とクールリセット)
- 昼の単体 DoT(Burning Blood など)
移動スキルは戦闘より先に取ると地図が小さくなる。戦闘スキルだけ先に盛ると、次の祠に着くまでに日が暮れる。探索が無料なこのゲームでは、移動の方が経験値効率もいい。
スキルポイントだけでは足りないものがある。ワールドに散らばるマニュアルと、呪文書。祠で時間を払って覚える。本を持たずにポイントだけ貯めても、ツリーの奥は開かない。街の商人と廃墟の机を見る癖をつけた方がいい。
腐敗は吸血行為で上がる。動物でも貯まる。人間を減らしすぎると悪名と人間関係が壊れるので、序盤の腐敗稼ぎは家畜と敵兵で十分だった。
効率よく進めるための実務的なコツ
全部を書くと攻略wikiになるので、実際に効いた判断だけ残す。
探索は「無料の強化」だと考える。祠、マニュアル、視点場、ショートカット。メインを急ぐあまり直線移動すると、あとで同じ道を夜にやり直しになる。
クエストは砂時計を見て選ぶ。数字が大きいものは、その帯の大半を持っていかれる。本筋と配下弱体化以外の大きな砂時計は、意図して捨てていい。30日は「全部やる日数」ではなく「家族の命の期限」だ。
ブレンシス本人より先に、三人のボヤール——アムブルス、ザンテ、バキル——の領地をいじると、最終盤が楽になる。全員を倒す必要はなく、それぞれの仕事(補給、人心掌握、研究)を邪魔するだけでも城側の備えが落ちる。どの一人を深く掘るかで、コーエンの立ち位置も変わる。

仲間は一人で抱え込まない方がいい。昼の人間関係と夜の協力者では、使える時間が違う。全員の個人クエストを消化しようとすると期限に負ける。気になった相手だけ深く付き合う。
セーブは多めに残す。選択で人が死ぬ。血液飢餓で誤って噛む。勅令で街の雰囲気が変わる。クイックセーブだけに頼ると、数時間前の分岐に戻れない。Steamのクラウドは使うが、手動スロットも分けておいた。
グラフィック設定は、影とフォリッジとレイシング系を一段落とすと安定しやすい。最低環境ギリギリなら、画質よりフレームを優先した方が方向入力の戦闘が楽になる。フルスクリーンよりボーダレスの方が、環境によっては入力遅延が少ない。
実績目的なら、一周で全部は狙わない方がいい。隠し実績が多く、周回前提のものが混ざる。初週は物語を一本通す。
やってよかった判断、やらなくてよかった判断
やってよかったのは、プロローグ直後に難易度と戦闘アシストを自分用に直したこと。最初の野戦で「ゲームが悪い」と感じる人の相当数は、方向入力とスタミナ切れが原因だった。
やらなくてよかったのは、最初の三日で悪名を最大近くまで上げた試しプレイだ。警備が厚くなり、昼の会話が減り、移動が戦闘になった。 brooding な気分は出るが、システム理解前だとただ面倒だった。
装備の収集も、序盤は「今の帯で補正が乗るもの」以外を祠に預けた。重量と修理と選択疲れを減らせる。
音楽と環境音は上げた方がいい。谷の天気と距離感が、探索の判断材料になる。字幕は大きめ。英語音声の早口に、日本語字幕が追いつかない場面がある。
このゲームが向かない人、向く人
向かないのは、オープンワールドをチェックリストとして埋めたい人、制限なしでビルドを完成させてから本編に入りたい人、日本語音声必須の人、軽量タイトルを求めている人。時間は罰ゲームではなくテーマそのものなので、「あとで全部やる」前提だと設計とぶつかる。
向くのは、選択の結果を世界に残したい人、昼と夜で同じ場所の意味が変わる遊びに酔える人、『ウィッチャー』の会話と調査が好きだったが、もっと意地の悪い制限が欲しかった人。コーエンは正義のヒーローではない。家族を救うことと、自分の飢えと、谷の人間をどう見るかが、ずっと並行する。
発売直後のSteamは最適化とバランスのパッチが入りやすい時期でもある。フレームや特定クエストの進行不能は、公式ニュースとコミュニティハブを先に見た方がいい。
- (MOD)『The Blood of Dawnwalker』おすすめMod:発売初日に入れた
- Steam版『The Blood of Dawnwalker』を始めた人が最初に知るべきこと
- 『The Blood of Dawnwalker』サンゴラ谷の地図は、最初の夜に塔へ登った瞬間から変わる
- (ネタバレ&レビュー)昼は人、夜は牙『The Blood of Dawnwalker』をクリアして分かったこと
- 『The Blood of Dawnwalker』を遊んで分かったこと。点数の先にある30日の使い方
まとめ
『The Blood of Dawnwalker』のSteam版は、ただの吸血鬼アクションではない。30日という期限の中で、昼の人間と夜の怪物を同じ体で往復するゲームだ。探索は無料、意味のある行動だけが時間を食う。そのルールを最初に飲み込めると、谷の広さが急に親切になる。
始めるなら、戦闘アシストの有無、昼と夜の装備セット、祠の登録、血液管理、スキルは移動から、この五つだけ先に押さえる。残りはコーエンが誰の血で生きるかを、自分で決めればいい。
家族を救うのか、主を殺すのか、谷の秘密に沈むのか。期限は短い。だが歩く分には、まだ夜は長い。
